研究課題/領域番号 |
23560319
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
上村 佳嗣 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20233950)
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キーワード | 電気・電磁環境 / 電波計測 / 電波防護 |
研究概要 |
赤外線マーカと赤外線カメラ(Wiiリモコン)2台を用いた赤外線トラッキングによるフリーハンド走査式のリアルタイム3次元電磁界分布可視化システムを開発し、その実証を蛍光灯近傍の高周波電磁界に対して行った。実画像との対応が一目でわかるようにするために、Webカメラを同時に用いた。赤外線カメラ2台、Webカメラ、電磁界測定器、および結果の画像表示との連携をうまく行うためのソフトウェアを開発し、結果画像の実画像への重ね合わせ表示も実現することができた。3次元分布データを分かりやすく表示するために奥行き方向に対して3分割し、それぞれに対応する3つの画像を同時表示することにより、測定中のセンサがリアルタイムにどの領域にいるかがわかるよう工夫した。これにより、ターゲットとなる測定面を仮想的に作って集中的に測定できるようになった。 以上の成果は、6月に豪州のブリスベンで開催された第34回BEMS年次大会、11月に東京都小金井市のNICTで開催されたPPEMC'12で報告した。また、プラズマ・核融合学会誌8月号にも掲載した。 3次元分布可視化システムの低周波磁界測定器への適用も進めており、その成果は9月にローマで開催されたEMC Europe 2012、および12月に岐阜大学で開催された環境電磁工学研究会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初24年度に予定していた3次元電磁界分布可視化システムの開発はおおむね完了した。 また、25年度に開発予定の低周波磁界測定器を用いた電磁界分布可視化システムについても開発のメドがたった。さらに、磁界ベクトル分布測定のための機器の準備もすすめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
赤外線カメラ(Wiiリモコン)と低周波磁界測定器を用いたリアルタイム電磁界分布可視化システムを完成させる。3軸の磁束密度データを取得できるようにし、磁界ベクトル分布の可視化について検討する。 上記のシステムを利用したリアルタイム波源探査についても試みる。 電磁界測定器2台を用い、1台を定点観測用とし、時間変動電磁界に対する出力最大時の電磁界分布を推定して可視化する方法についても引き続き検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遂行には以下のような備品、消耗品が必要である。 (1)システム構築のためのPC周辺機器、電子部品、およびケーブル類 (2)センサを搭載するセンサロッド、校正用冶具のための測定用部材 (3)データ保存用の記録媒体 また、国際会議での発表、国内の学会等での発表のための旅費と参加費が必要である。成果発表のための学会誌投稿料も必要となる。
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