研究課題/領域番号 |
23560321
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
宮崎 敏昌 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90321413)
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研究分担者 |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40185187)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 電気機器 / ロボット / 力制御 / 2関節同軸動 |
研究概要 |
本研究課題では、筋骨格機構の特徴である2関節同時駆動方式を、産業用ロボットマニピュレータに適用することを目指し、その駆動方式によって全く新しい動作が可能な制御システムの構築を目指す。本研究で目指す動作(モーション)は、高精度軌跡制御・接触力減衰制御を核とする力と位置の同時制御による人間協調モーションである。 平成23年度においては、2関節同時駆動型ロボットの実機製作と数学モデルを確立し、力制御、位置制御双方の基本的なアルゴリズムを考案した。これまでに、2関節同時駆動型のロボットの構造には、多くの研究が行われており、その中でも近年は、遊星歯車構造を利用した構成が研究されてきている。本研究課題では、この遊星歯車構造をもつ2関節同時駆動型ロボットを制御対象として製作する。2関節同時駆動ロボットには、各関節を駆動するアクチュエータに加えて、2関節に同時に動力を伝達するアクチュエータを追加する。本年度に製作したロボットは、2関節同時駆動機構の特性を確認するため、2リンクマニピュレータとし、ロボット先端が平面内を移動するモデルとした。本ロボットは、既に終えていた、基礎的な設計に基づいて製作を行った。また、制御手法については、以下の2点の成果を得た。・2関節同時駆動機構ロボットの製作と安全アクチュエータのためのモデルパラメータ取得方法確立・2関節同時駆動機構を持つマニピュレータに対する位置・力の理論的分離制御手法確立上記の成果のうち、アクチュエータ制御及び位置制御に関する部分を国内の研究発表会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的及び研究計画に基づいて、実験実機の製作及びロボット制御に関する基礎的な研究については、概ね順調に進展した。しかしながら、ロボット制御の実験による検証の一部及びロボットの大まかな動作を検証するためのシミュレーションモデルについて、その精度及び実施方法に関して、改善の余地が有る。しかしながら、これらの改善点については、本年度の第1四半期までに進展の目処が立っており、平成24年度の計画を大きく変更する必要は無いものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度以降には、平成23年度までの研究成果を踏まえ、前述の通りこれまでの計画に従い、2リンクマニピュレータの先端位置・力同時制御を実現した上で、産業用ロボットの基本形である3リンクロボットマニピュレータへの拡張を行う。平成24年度においては、上記を踏まえ以下の2点の成果を得ることを目標とする。 今後の研究において重点的に解決すべき課題は、実験検証の方法及び汎用性の担保である。様々な形態のマニピュレータやレッグアームへの展開を考慮した実験検証の考案、汎用性を考慮したモデルの作成などについて重点的に研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度では、平成23年度までの研究成果を踏まえ、上記を踏まえ以下の2点の成果を得ることを目標とする。 ・2関節同時駆動機構を持つマニピュレータに対する平面内位置・力の同時制御手法の実証 ・アクチュエータの3次元システムに対する安全駆動手法についての理論検証 本研究を遂行するために、完成したロボットの力制御検証用として、3軸力センサに150千円を、設備品として計上する。また、力センサの設置と実験利用に必要な機械部品一式に250千円を、力センサと制御装置等を接続するインタフェース回路用の電子部品一式に300千円を、消耗品として計上する。また、前年度の研究成果を発表するための旅費として100千円を、力制御及び力位置同時制御実現に必要な資料集のための旅費として50千円を計上する。さらに、本実験補助の大学院生2名への謝金として50千円を計上する。
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