研究課題/領域番号 |
23560323
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横水 康伸 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50230652)
|
研究分担者 |
松村 年郎 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90126904)
|
キーワード | 電気機器 / 大電流 / 限流遮断 / 固体遮断器 |
研究概要 |
IGBT型直流遮断器の機能展開の一つとして,定常損失の低減対策構成を考案および実証を目指した。構成として,電気接点として電磁リレーをIGBTに並列接続することとした。リレーに流れる電流の検出,さらにその信号に基づくリレーおよびIGBT制御法もあわせて検討し,モデル器を試作した。 定常電流をモデル器に流し,リレーおよびIGBTに流れる電流およびモデル器端子間電圧を測定した。定常電流はリレー部を流れ,またモデル器端子間電圧は微小であることを確認できた。したがって IGBT の順電圧降下に起因する定常損失を低減できた。 次いで,モデル器に突入電流の遮断実験を行った。ここでは,モデル器に流れる電流がしきい値を超えると,その電流は過電流と判定され,リレー電流はIGBTに転流されること,その後IGBTは限流遮断を行うことを目論んでいる。直流電圧120V下で,モデル器に20~100Aの突入電流の遮断を課した。その結果,(1)リレー部電流は瞬時にIGBTに転流すること,(ii)モデル器は,直流電流を限流遮断できることを示すことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低損失型パワー半導体遮断器の回路構成を考案できた。また,定常損失が低いこと,さらには電流遮断を実証できた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでパワー半導体型遮断器として,IGBTを用いた直流遮断器を構築し,電流遮断特性を明らかにしてきた。電流遮断特性の一つとして,電流遮断限界が挙げられる。これは,遮断器にとって重要な特性である。そこで,モデル器に流れる電流を段階的に増加させ,モデル器の電流遮断限界を測定し,提示する。すでに着手を始めている。また,電流遮断限界の向上策の考案とその効果判定にも着手する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
・パワー半導体,制御関係部品および電線などを購入する。また,学会大会および調査の旅費として使用する。
|