研究課題/領域番号 |
23560328
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松尾 哲司 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20238976)
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研究分担者 |
美舩 健 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20362460)
開道 力 北九州工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20373558)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 電気機器工学 / 磁性 / 計算材料物理学 / 電磁鋼板 / 有限要素磁界解析 |
研究概要 |
1.磁区構造モデルを用いた,鉄芯材料の物理モデルの開発 電磁鋼板の結晶粒が示す磁気特性を表現するため,立方磁気異方性を仮定した磁区構造モデルを構成した。方向性電磁鋼板の圧延方向および直角方向の交番磁気特性の計算結果は,測定結果と定性的によく一致した。また,回転磁化条件下での計算結果は,方向性電磁鋼板および無方向性電磁鋼板の測定結果と定性的によく一致した。すなわち,単独の磁区構造モデルは電磁鋼板の基本的な磁気特性を表現できることが示されたので,磁区構造モデルの集合として,電磁鋼板の磁気特性を精度よく表現することが可能であると考えられる。他方,磁化曲線表現の磁区モデル化の検討により,低磁束密度ではレーリーループでモデリングすることで2定数で磁化曲線が表現でき,中磁束密度では結晶粒界のピン止め効果と磁壁移動で表現できることを示した。さらに,応力依存性は,磁壁移動と磁化回転を考慮すれば,磁歪現象として説明できモデリングも可能であること,また,歪(塑性変形)依存性は、結晶粒界の残留応力で概略説明できることを示した。2.有限要素磁界解析のためのモデル化手法の検討 異常渦電流損を含む渦電流の効果について,鋼板厚み方向1次元有限要素法によるモデル化手法を検討した。BH曲線およびアノマリーファクターの鋼板厚み方向の非一様性が,鋼板の磁気特性に及ぼす影響を明らかにした。また,アノマリーファクターの動的モデルを提案し,同モデルを導入した有限要素解析により,電磁鋼板の交流ヒステリシス特性を精度よく表現できることを示した。他方で,ベクトルヒステリシス特性を考慮した2次元有限要素解析手法を開発した。3.高磁束密度/可聴周波数領域における鉄芯特性測定 高磁束密度領域の特性測定のため,励磁コイルを増強した。また,材料物性におよぼす要因を明らかにするため,応力下における電磁鋼板の磁気特性を測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
集合モデルの構成要素として磁区構造モデルが有効であることを示し,集合モデルの構成法も考案済みであるが,集合モデルによる検証が遅れている(ただし,集合モデルの構成については別プロジェクトの課題である)。 有限要素解析手法については,ヒステリシス関数を実装済みであり,検証を行う段階にある。 計測に関しては,方向性電磁鋼板の測定精度に課題が残っている。ただし,磁気特性の応力依存性の計測については計画より進んでおり,モデル化に際しての重要な知見が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
(別プロジェクトの課題である磁区構造モデルの集合モデルの計算機実装を行った後,)集合モデルによる特性表現と電磁鋼板の磁気特性計測結果の比較により,ピンニングポテンシャルや結晶方位分布の設定法を検証し,材料物性データから無方向性電磁鋼板および方向性電磁鋼板のマクロ磁気特性を再現する手法を開発する。 有限要素解析については,異方性ベクトルヒステリシスモデル(マクロモデル)の組込みを行う。 鉄芯磁気特性計測については,PWM駆動条件での特性計測を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
モデル計算用PCの購入,計測装置の整備,打合せ旅費,調査研究旅費,成果発表旅費に使用する。
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