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本研究は，次世代電力系統の一翼を担う可能性のある小規模自律型電力系統について，柔軟な制御を実現する機能を「オンデマンド需給制御」と称し，そのプロトタイプシステムを構築・検証することを目的としている。出力が大きく変動する太陽光発電(PV)，風力発電(WT)などの「出力変動電源」が系統周波数に悪影響を与えることを踏まえ，オンラインでその出力変動を捉え，行き過ぎた変動があった場合にはオンデマンドでそれらの出力を抑制，制御することが主な役割である。
平成23年度は，基盤となる各構成要素モデルの作成・システム全体の試作を行った。新しくPV，WTモデルおよび電気自動車(EV)の充電モデルを作成し，動作検証を行った。また，小規模系統のモデルとしては，ある離島系統を一例としてモデル化した。
平成24年度は，前年度に試作したシステムのプロトタイプを用いてシミュレーション実験と現象の考察を行った。このシステムの最も重要な機能は，オンラインで観測する出力変動データから，いかに出力抑制，制御を実施するかということであり，その基準として「評価指標」を提案し，計算方法および抑制・制御方法について検討を行った。また，従来型の発電機に加えて，EVの充電制御を用いる周波数変動抑制方法およびその効果についても検討を行った。
平成25年度は，これまでの研究を踏まえ，問題点を解決すべく新しい制御方策の検討を行った。求められる機能を整理すると，PV・WTの区分け，EV所有者の利便性の考慮などが挙げられ，それらを解決すべく検討を行った。加えて，EVの活用が周波数制御にどの程度貢献するかについても合わせて検討を行い，最終的に，PV・WTそれぞれを区別して制御する方法，およびEVの充電具合によって，所有者の利便性をなるべく損なわず，できるだけ周波数制御に貢献できるような新しい制御方法を構築することができた。
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