研究課題/領域番号 |
23560335
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
森本 茂雄 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00210188)
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研究分担者 |
真田 雅之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90264803)
井上 征則 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50580148)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 風力発電 / 発電機 / レアアースレス / 3次元構造 |
研究概要 |
発電機のギャップ面を3次元構造にすることでギャップ面積を増加させ、等価的にエアギャップ長を短縮させて、トルク・出力や効率を向上できる構造について検討した。 まず、製造方法や製造コストも考慮して、特性改善効果が大きい「3次元ギャップ構造の検討」を行った。様々な3次元ギャップ構造と従来の平面ギャップ構造について、基本磁気回路モデルを用いて磁束密度特性、トルク特性などを有限要素法による磁界解析で検討した。その結果、高トルク化に適した3次元ギャップ構造を明らかにし、3次元ギャップ構造を用いることで高トルク化が可能であることを明らかにした。 次に、上記解析結果の精度および解析で得られた3次元ギャップ構造の効果について確認するため基本特性評価用試験装置を製作し、実験によりトルク特性、鉄損特性を測定した。ここで、3次元ギャップ構造試験機については、一般的な電磁鋼板を使用した試作機と圧粉磁心を使用した試作機を製作した。実験結果より、トルク特性については、解析結果と同じように3次元ギャップ構造による高トルク化効果が確認でき、電磁鋼板を使用した試作機と圧粉磁心を使用した試作機で大きな違いはなかった。一方、鉄損特性については、3次元ギャップ構造を用いることで鉄損が大きくなることがわかった。特に、圧粉磁心を使用した試作機の鉄損増加が著しかった。これは、試験を行った60Hzの周波数では、圧粉磁心のヒステリシス損の影響が大きいためと考えられ、さらに駆動周波数が高い場合の検討も必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種3次元立体ギャップ構造の検討を実施し、高トルク化効果が大きい構造を明らかにした。また、圧粉磁心を使用した試作機も含め基本特性評価用試験機を製作し、試験評価を行った。以上より、レアアースレス3次元ギャップ構造風力発電機の最適構造を決定するための基本検討が完了できた。
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今後の研究の推進方策 |
有限要素法による磁界解析を用いてレアアースレス3次元ギャップ構造風力発電機の最適構造を明らかにし、試作発電機を製作して実験による特性評価を行う。また、提案構造発電機に適した発電機制御システムを検討し、シミュレーションおよび試作機に適用した実験結果より制御性能の評価を行う。発電機、制御システムについては必要に応じて改良を加えていく。最終的には、小型風力発電システムを製作し、試験により性能評価を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
発電機のより詳細な特性解析を実施するため3次元磁界解析ソフトウェアとパーソナルコンピュータを購入する。 設計した発電機を実験で評価するため発電機を製作するため試作費を使用する。 発電機制御システムを構築するため、パワエレ用ディジタル制御システムとインバータを購入する。 調査活動、研究発表のために国内外の学会などに参加する参加費、出張費用を使用する。
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