本研究代表者が独自に開発したビームスプリッターとバンドパスフィルタを用いた2次元の計測が可能な超高速分光計測システム,並びに,PIPアルゴリズムを用いて,真空アーク陰極点の酸化膜除去過程の解明を行った。真空アーク陰極点の除去過程を解明することによって,本研究から真空アーク陰極点による超高速酸化膜除去手法の開発の知見を得ることができる。結果として,酸化膜蒸発除去には,酸化膜を蒸発除去させるための時間が必要であり,この時間は,酸化膜やバルクの比熱や熱伝導率に依存すること,つまり,アークの維持や移動には,滞在時間(体積除去速度や移動速度)の最適値による蒸発量の制御が必要となることがわかった。
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