研究課題/領域番号 |
23560342
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
森 啓之 明治大学, 理工学部, 教授 (70174381)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 多目的最適化 / 進化的計算 / 不確定性 / パレート解 / メタヒューリスティクス / モンテカルロシミュレーション / 確率的供給信頼度 / 送電ネットワーク拡張計画 |
研究概要 |
本年度では多目的進化的計算法の文献調査と多目的進化的計算法の基礎プログラムの作作成の2つを目標にしてきた。多目的進化的計算手法について文献調査を行い、大域的最適解の高精度近似解を与えるメタヒューリスティクスのGA(Genetic Algorithm)とPSO(Particle Swarm Optimization)とTS(Tabu Search)をベースにした多目的進化的計算手法について内外の論文誌データベースを調査した。また、多目的進化的計算法の基本アルゴリズムであるNSGSII(A Fast Elitist Non-dominated Sorting Genetic Algorithm for Multi-objective Optimization)とSPEA2(Improving the Strength Pareto Evolutionary Algorithm)のプログラムを作成し、ベンチマークデータにおいて基本アルゴリズムの動作を確認した。また、プログラム作成内容についての検討を行い、プログラムの高速化を行う。これらの手法を送電系統の信頼度テストのためのIEEE PESのベンチマークモデルに適用し、考察を行った。さらに、24年度の研究目標の1つであった多目的進化的計算法の新しい提案とプログラムの作成について検討した。送電ネットワークにおいて、複数の目的関数を持つ送電ネットワークの確率信頼度問題を高速に解くために、解の多様性に関して多目的SPEA2を改良した改良型SPEA2を提案した。その提案アルゴリズムと従来のモンテカルロシミュレーション法SPEA2との比較検討を行い、提案する手法の有効性について評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では多目的進化的計算法の文献調査と多目的進化的計算法の基礎プログラムの作作成を目標にしてきた。プログラム作成に関して、大学院生のプログラム作成の支援があっため、基礎的なプログラム作成と提案する手法のプログラムコードの開発が比較的容易に行うことができた。一方で、乱数発生法についての研究は、十分とは言えなっかたので、来年度に引き続き、研究する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、乱数発生法と階層型最適化手法の2つのことについて研究を推進していく。 1つ目の乱数発生法では、実測された太陽光発電を離散分布として表現した際、一般的には任意の確率分布となるため、そのような確率分布を発生手法について文献調査する。また、申請者らの研究により、送電ネットワーク拡張計画において相関がある乱数を使用すると、早く解に収束することがわかっいる。相関がある乱数の精度向上についても研究する。この分野は、意外と論文が少ないと思われため、新たな手法を考案する必要性があると思われる。 2つ目の階層型最適化手法はモンテカルロシミュレーション法と多目的メタヒューリスティクスで送電ネットワーク拡張計画や買う率的信頼度評価を高速に解くために、多目的問題の階層的に領域分割する手法を提案する。そのアルゴリズムのプログラム開発し、他の手法との比較検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度では産業界に受け入れられる研究を目指す。本研究における提案アルゴリズムについての意見・コメントをインテリジェントシステム応用の専門家からもらい、アルゴリズムの改良に反映するために、積極的に海外で開催されるIEEEなどの国際会議に参加する。そのため、旅費に研究費を費やす。また、継続してプログラム開発も必要なので大学院生への謝金を支出する。
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