研究課題
永久磁石(PM)補助突極形同期機(PMaSM)を対象として,前年度の実施状況報告書の「今後の研究の推進方策 等」に記載の内容に沿って,連携研究者と研究を進めた。第1弾試作機とは大きく異なる形状を有する第2弾PMaSM試作機の測定と解析を実施した。測定の結果,後者は前者と同等の出力と効率が得られた。遅れ力率時において界磁起磁力をより低減できることがわかった。本成果を電気学会全国大会で発表した。前年度に引き続いて可変速運転時の特性解析を実施した。弱め界磁運転時におけるPMaSMの有用性を示した。また,前年度に構築した測定設備を用いて,従来機およびPMaSMの弱め界磁運転時の測定を試みた。定格回転時の測定が問題なく実施できた。インバータ運転によってもPMの不可逆減磁の問題が生じないことを実証した。本成果を電気関係学会北陸支部連合大会と電気学会研究会で発表した。ただし,試作機の破損により高速回転時の測定はできなかった。今後の課題である。申請書の計画のうち,突発短絡時のPMの不可逆減磁防止策を立案するテーマについては,来年度以降に延期する。これを実行すると試作機が性能を失って,上記の高速運転時の測定が実施不能となるためである。交付申請書に記載していない研究テーマとして,過渡状態の磁気回路計算法の構築を実施した。この計算結果を実機試験結果と比べることにより,磁気回路の計算精度が高いことを実証した。以上の研究の意義・重要性は次のとおりである。PMaSMの性能を限界まで向上するための設計指針を見出した。また,インバータ運転や弱め界磁運転によるPMaSMの健全性や有用性を把握できた。磁気回路による過渡状態の高速・高精度設計計算を実現した。これらの成果は,PMaSMの研究段階から実用化までの間のいわゆるデスバレーを解消するために重要なものである。
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IEEJ Journal of Industry Applications
巻: Vol. 2, No. 6 ページ: 276-282