研究課題/領域番号 |
23560349
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
冨田 睦雄 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20311029)
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キーワード | 同期リラクタンスモータ / 制御 / 電気有効利用 / センサレス / 低速 |
研究概要 |
現在、高効率な永久磁石同期モータが、幅広く用いられるようになったが、永久磁石の原料として欠かせないレアアースの産出国は偏在しており、希土類磁石の安定供給ができなくなる可能性や高価である深刻な問題を抱えている。この問題を解決するため、永久磁石同期モータの代わりに、レアアース磁石を用いない同期リラクタンスモータを採用することが考えられる。このモータは、効率が高いが磁石を用いないため、出力が永久磁石同期モータに及ばない。そこで、同期モータをサーボモータとして用いるのに不可欠で大きなスペースを要する回転子位置センサを取り除く位置センサレス制御が実現すれば、このスペースの分、大きな体格のモータを採用でき、高出力化が実現できる。色々な手法でセンサレス制御に関する研究が進められているが、低速時は困難であり、実用的ではない。 申請者は、高周波電流をモータに注入することによって、同期リラクタンスモータの低速時における回転子位置センサレス制御に、無負荷時において、成功していた。本研究の目的は、さらに実用化に向けて、低速・全負荷領域での位置センサレス制御を実現することである。 平成24年度は、低速時における同期リラクタンスモータの位置センサレス制御において、平成23年度にコンピュータシミュレーションを用いて、解析し、改良を加え、確立した負荷に対してより強固になる新たな手法を、実機実験装置に対して適用し、これまで成功していた無負荷状態だけではなく、有負荷状態においても、この手法が有効であることを確認した。 また、研究成果は、論文や国際会議や電気学会の産業応用部門大会などで発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度で行ったコンピュータシミュレーションによって得られた結果を基に、モータ制御装置をプログラミングして、接続した負荷装置により負荷を印加した状態で、同期リラクタンスモータを低速で位置センサレス制御を行うことを平成24年度以降の計画としていたが、コンピュータシミュレーションによって平成23年度に確立した新たな手法を実機実験装置に対して適用し、これまで成功していた無負荷状態だけではなく、有負荷状態においても低速での位置センサレス制御が可能であることを確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に確認した有負荷状態においても同期リラクタンスモータを低速で位置センサレス制御が可能であることを確認したが、現在のところ、速度の脈動が大きいため、この現象をコンピュータシミュレーションと実機で解析し、改良・確認しながら、速度の脈動を減らすなど、より性能の向上を図ることを目指す。また、より大きい負荷を印加した時でも、提案手法が有効であることを確認することを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
より性能の向上を目指すために、実機実験だけではなく、コンピュータシミュレーションも併用して行う必要があるため、シミュレーションソフトウェアの保守の購入を行う。また、情報収集や最終年度の研究成果の発表を行うため、国際会議や電気学会の全国大会や産業応用部門大会などに出席するために旅費や参加費を使用する。 「次年度に使用する予定の研究費」については、平成24年度末の3月に情報収集及び成果発表のため、電気学会全国大会に出席するための旅費・参加費を使用した結果、約4万円に収まったので、基金化されたメリットとして、平成25年度に使用させて頂くことにした。
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