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2011 年度 実施状況報告書

小型同軸マルクスで発生するメガワット級大電力短パルスマイクロ波を用いた滅菌処理

研究課題

研究課題/領域番号 23560350
研究機関神戸市立工業高等専門学校

研究代表者

橋本 好幸  神戸市立工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (20270308)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードパルスパワー / マルクス回路 / 大電力マイクロ波 / 電子ビーム / 仮想陰極発振器 / 滅菌
研究概要

本年の実験目的は、(1)「小型同軸マルクス装置,ダイオードおよびマイクロ波測定回路の設計および製作(4~10月)」と(2)「小型同軸マルクスの動作試験およびマイクロ波測定回路の校正(11~3月)」であった。 (1)の目標に関しては、12段回路のマルクス回路を6段回路に縮小するために、電源容器の再設計を行った。コンデンサ、高電圧抵抗等の耐圧試験を実施し、60kV×6段のマルスク回路に再構築した。次に、マイクロ波測定系の設計については、一部パーツを除き、購入および作製を行った。また、ダイオードの設計を行うために、大電力マイクロ波の発生条件を数値計算によって求めた。それらの結果については、研究会等でその成果の発表を行った。 (2)の目標に関しては、マルクス回路を充電するための高電圧電源は平成23年度の予算で購入したが、充電を制御する回路およびダイオード出力を測定する回路を新たに設計・製作する必要があり、これらの作業が遅れたため、マルクス電源の動作試験まで行えていない。そのため、マイクロ波回路全体での校正も、まだ、実施できていない。 以上のことから、次年度は、できるだけ早くマルスク充電系の整備を終えて、動作試験を実施したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大電力マイクロ波を発生させる同軸マルクス電源の本体の設計および製作、組み立ては、ほぼ予定通りに終えることができた。しかし、当初計画では、マルクス回路の動作試験まで終える予定であったが、マルクスの電源系の設計製作が遅れたことや、X線シールドと真空容器の大きさ等の関係から真空容器の一部改修が必要となったことから、作業の遅れを生じた。これらが原因で、実験が少し遅れている。

今後の研究の推進方策

本年は、下記の3つの項目に分けて実験を遂行する。(1)「同軸マルスク回路の動作試験およびマイクロ波測定系の校正」(平成24年4~8月) マイクロ波の電源系および測定系の製作を終えて、マルクス回路の動作試験を行う。また、マイクロ波の測定系全体での校正を行う。(2)「仮想陰極発振器を用いたマイクロ波の発生実験」(平成24年9~11月) マルクス回路にダイオードを取り付け,マイクロ波の発生実験を行う。ギャップ長を変化させて,出力されるマイクロ波の周波数を測定し,ギャップ長とマイクロ波の周波数の関係を調べる。ギャップ長を固定して,マルクスの充電電圧を変化させ,出力電圧と発生したマイクロ波の電力の関係を求める。また,マイクロ波照射領域で位置を変えて,マイクロ波を測定し,位置による電界分布を測定する。(3)「マイクロ波照射による滅菌効果の確認」(平成24年12月~平成25年3月) バイオロジカルインジケータ(BI)をマイクロ波照射室に取り付け,マイクロ波を1回照射する。BIを低温インキュベーターで4時間~1週間培養して,滅菌効果を確認する。もし,滅菌効果が得られない場合は,マイクロ波を複数回照射して滅菌効果を確認する。 滅菌効果が現れた場合は,滅菌寒天培地にマイクロ波照射前後の指標菌を塗布し,低温インキュベーターで培養して,細菌の数をカウントしてD値を求める。

次年度の研究費の使用計画

本年度は、マルクス回路の動作およびマイクロ波の実験と、滅菌効果の検証を行うために、以下の研究費の使用を計画している。(1)設備備品費(低温インキュベーター 300千円)(2)消耗品費(電源部品、真空部品、BI、ガラス機器等 300千円)(3)旅費(200千円)を予定している。なお、昨年度の使用金額に残額が発生したが、測定パーツを海外から購入したために納期が遅れたことと、X線シールド部品の設計が遅れたことで、発注が年度末になり、支払い完了が年度を越えてしまったためである。現時点では、すでにそれらの費用の支払いが終わっており、ほぼ昨年度の予定通りの金額を使用している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 同軸型マルクス装置を用いた滅菌用大電力マイクロ波の発生2011

    • 著者名/発表者名
      橋本好幸
    • 学会等名
      電気学会パルスパワー研究会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2011年12月15日

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公開日: 2013-07-10  

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