広い温度範囲(350~750℃)で相安定なNiSiの結晶粒径を小さくして、形成されるシリサイド/Si界面の平坦化を検討した。Si基板にスパッタ堆積するNiの粒径成長を抑えて、適度に反応が起こるような基板温度と、その後の熱処理温度が結晶粒径制御に重要であった。温度の設定によっては、高温相NiSi2の低温成長が起こり、界面の平坦性を損なう現象が見られた。この要因は、加熱Si基板へのNi堆積により、アモルファス拡散層が形成され、Si-richな組成領域から高温相が凝縮するものと推察された。この確認のために、薄い酸化層を残したSi基板で、Ni拡散を抑制することにより、NiSi2の低温形成を確認した。
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