研究課題/領域番号 |
23560392
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
秋田 純一 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (10303265)
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研究分担者 |
小松 孝徳 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (30363716)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ディスプレイ / カメラ / 画素配置 / 画素パラメータ / 知覚実験 / ジャギー |
研究概要 |
本年度は、擬似的不規則配置をもつ画像システムのうち、ディスプレイシステムの構築とその基礎的な評価を行った。具体的には、プロジェクタに縮小投影用の光学系を付加し、リアプロジェクション用のスクリーンに投影することで、1920×1080画素からなる10cm程度のサイズのディスプレイを構築した。これにより、10×10画素をまとめて仮想画素として取り扱うことで、192×108画素の擬似的不規則画素配置を持つディスプレイを実現できた。続いて、このディスプレイシステムを用い、画素の構成パラメータのうちの開口率、変位率、非発光領域への拡散率を変化させて「きれいさ」の最適値を求める知覚実験を行った。その結果、非発光領域の拡散係数が大きいと画像のぼけが強いと知覚され、それが画像の「きれいさ」を大きく損なう要因となることが明らかとなった。またこの画像のぼけによる効果が、開口率と変位率の変化からなるジャギーの解消効果を大きく上回ることが明らかとなった。この結果は、画像の「きれいさ」を定義する上で重要な知見となった。これと並行して、動画像におけるジャギーの解消効果についても同様に知覚実験を行い、擬似的不規則画素配置によって大幅な解消効果が得られることが明らかとなった。またもう1つの柱である、擬似的不規則画素配置を持つカメラの試作は、利用を予定していたLSI試作サービスが中止となったため、代替の試作サービスを模索・検討したため、まだ試作に至っていない。これについては目処は立ったため平成24年度中には完了させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた、擬似的不規則画素配置を持つディスプレイとカメラの両者のうち、ディスプレイに関してはほぼ計画通りに順調に進展している。一方のカメラに関しては、予定していたLSI試作サービスが中止となったため代替サービスを検討するのに時間を要し、まだ試作が完了していない分が、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
擬似的不規則画素配置を持つディスプレイについては、平成23年度の成果をふまえ、そのシステムの完成度を高めて安定化し、さらなる画素パラメータの最適化のための知覚実験を進める。カメラについては、遅れている分を前倒しし、要素回路の試作とカメラの試作を並行して行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は当初の計画通り、擬似的不規則画素配置を持つディスプレイの安定性の向上と最適化、およびカメラの試作を進める。カメラの試作は、要素回路と全体回路の試作を並行して行うため、全体での試作に要する費用には変更はない。
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