研究課題/領域番号 |
23560392
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
秋田 純一 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (10303265)
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研究分担者 |
小松 孝徳 信州大学, 繊維学部, 准教授 (30363716)
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キーワード | 画像システム / カメラ / ディスプレイ / 画素配置 / 擬似的不規則配置 |
研究概要 |
本研究は、人間にとって最も豊かなメディアである映像メディアの根幹をなす、カメラやディスプレイなど画像システムが目指す究極の目標である「美しい映像の表現」のために、従来の種々の手法とは独立に適用が可能な手法である、画素中の受光部や発光部の配置(変位)を擬似的に不規則とすることで、画像の品質・美しさを損ねる要因であるジャギーを解消し、極めて高品質な画像表示が可能な超高画質画像システムを完成させることを目的としている。 本年度は、研究実施計画にしたがって、擬似的不規則配置を持つカメラとディスプレイの試作を完了した。 カメラの試作では、CMOS0.18μm試作サービスを用い、128×128画素のイメージセンサを設計し、試作した。この設計では、同一回路・物理サイズの画素回路を用い、半分の128×64画素分は通常の格子状画素配置、残り半分を擬似的な不規則配置として設計し、両者を比較できるようにした。これにより、擬似的不規則画素配置のカメラの有用性を評価する準備が整った。 またディスプレイの試作では、プロジェクタの光学系を改造し、プロジェクタの映像を縮小投影するシステムを試作し、画素パラメータの最適化のために10×10個の実際の画素を仮想的に1つの画素として扱うことで、画素パラメータを変更可能な0.2mm角程度の画素約100×600個からなるディスプレイを試作した。これにより、擬似的不規則画素配置をもつディスプレイの有用性を評価する準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では、擬似的不規則画素配置を持つカメラとディスプレイの試作を今年度中に完了し、それらの評価を開始する予定であった。 しかしカメラとディスプレイの設計・試作に予想以上の時間を要したため、これらの試作は完了したものの、評価を開始することができなかった。 したがって、当初の計画よりも研究の進捗がやや遅れているといえる。これらは、前述のように、設計・試作に予想を超える時間を要したためであった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画よりも進捗がやや遅れているため、試作したカメラとディスプレイの評価を早急に開始し、今年度の中盤までには完了させる。 また今年度の後半では、両者を統合した画像システムの構築とその評価を予定通り実施する。これらの評価においては、当初の計画通り、被験者を用いた知覚実験と数値シミュレーションを併用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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