研究課題
本年度は、擬似的不規則配置をもつ画像システムのうち、まずディスプレイシステムの評価を行った。具体的には、プロジェクタに縮小投影用の光学系を付加し、また減光フィルタを付加して光量を調節し、リアプロジェクション用のスクリーンに投影することで、800×600画素からなる4cm程度のサイズのディスプレイを構築した。これにより、10×10画素をまとめて仮想画素として取り扱うことで、80×60画素の擬似的不規則画素配置を持つディスプレイを実現できた。続いて、このディスプレイシステムを用い、画素の構成パラメータのうちの開口率、変位率、非発光領域への拡散率を変化させて「きれいさ」の最適値を求める知覚実験を被験者を用いて行った。その結果、拡散係数が大きすぎると擬似的不規則配置の効果が弱まって「きれいさ」が低くなることが示された。また変位率の最適値が10%程度であることが示された。また擬似的不規則配置の手法を画像計測である面積計測への応用を検討し、高解像度画像に対するダウンサンプルによるシミュレーションによって評価実験を行った.その結果、通常の正方格子状画素配置と比較して1/4程度の画素数で同程度の計測精度を得られることが示された。これとあわせて、擬似的不規則画素配置における画素の種類とジャギー解消効果との関連について数値シミュレーションを行って検討した。その結果、画素の種類が4または9が最適であることが示された。またもう1つの柱である、擬似的不規則画素配置を持つ128×128画素のCMOSカメラ素子の試作を行い、基本的な撮像機能を確認した。
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ITE Trans. on Media Technology and Applications
巻: Vol.2, No.2 ページ: 139-144
10.3169/mta.2.139