研究課題
最終年度は、1)酸化物半導体薄膜トランジスタにおいて最大課題となっている光照射下で負ゲート電圧ストレス印加時の信頼性劣化メカニズムの解明と対策、2)前記要因となっている価電子帯近傍の欠陥準位の不活性化処理、に重点的に取り組んだ。劣化メカニズム解析では、これまでのゲート電圧ストレスに加え、ドレイン電圧によりトランジスタチャネル内に横方向電界を印加する新たな評価方法を考案・実施した結果、正帯電した欠陥が横方向電界に反応して移動すること、この正帯電した欠陥が劣化の主要因であること、劣化は正帯電した欠陥のチャネル内での寿命(ライフタイム)に依存するため電子との再結合で劣化を抑制できること、を始めて明らかにし論文化した。また、この正帯電した深い欠陥準位のフッ素終端(不活性化処理)を検討し、フッ素を多く含む窒化シリコン(SiN:F)からの熱処理によるフッ素拡散を用い、チャネルとの間にフッ素濃度制御を目的とした緩衝層(絶縁膜)を挿入することで良好な結果が得られることを実証した。期間全体を通じ、メカニズム解析や対策といった学術的意義のある研究成果に加えて当初目標[可視光(λ≧400nm, 0.2 mW/cm2)照射におけるリーク電流値1 pA/μm以下の透明トランジスタ]を達成した。機能モデル実証に関しても、NHK放送技術研究所のご協力を得て、当初目標である解像度5万画素に対応可能な設計にて積層式色分離型撮像素子の画像表示に成功した。加えて、低温(150℃)プロセスによる透明回路を有機光電膜に直接積層した二層撮像素子の実証を行い、当初想定を超える成果も得た。以上のように、科研費の支援により、当初目標を全て達成すると同時に、積層式色分離型撮像素子のモデル実証にも成功した。また、成果公表にも注力した結果、査読論文数、国際・国内会議発表件数、とも当初計画を大幅に上回る実績を残した。
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