研究概要 |
電磁界移動境界問題の数値解析法に取り組んでいる。重合格子法をFDTD法に導入し、主格子と副格子間で高速の場合にも適用できるようにローレンツ変換を考慮した時間格子と空間格子の座標変換を考案した新しいアルゴリズムを提案している。直線運動を回転運動に変えるため、主格子と副格子間で高速の場合にも適用できるようにローレンツ変換を考慮した時間格子と空間格子の座標変換を考案し副格子を回転させ、この計算結果を理論値と比較を行い精度の確認を行った。さらに、副格子を誘電体として誘電体の回転問題の解析を行った結果は理論値とよい一致を見た。このように誘電体の回転を数値解析できることにより、カーボンナノチューブなどの数値解析に適用できることが証明でき、今後広く応用が期待される。 平成25年度は、実際の速度に適用できるように交差点モデルの解析を行った。2つの移動する波源からの電波伝搬解析を行った。この際、膨大な計算時間を短縮するため並列計算法の一つであるOpen MPを導入した。この結果、交差点モデルにおいて2つの波源からの電波伝搬解析を含めて行うことができた。この成果は、2013年5月に電気学会論文誌、2013年12月Microwave and Optical Technology Lettersに採録された。国際会議では、2013年5月EMTS2013, 2013年11月APMC2013で発表した。2014年8月ICEAA2014, 2014年10月のEuMW2014でも発表予定である。国内では、2014年3月電子情報通信学会総合大会で発表した。以上のように電磁界数値解析に移動する物体、移動する波源を導入する数値計算を提案できた。今後、ナノ・マイクロ波の領域、移動通信の領域等で益々必要とされる重要な数値解析法を提案できたといえる。
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