研究課題/領域番号 |
23560427
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
荻原 昭文 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00342569)
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研究分担者 |
垣内田 洋 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (40343660)
吉村 和記 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50358347)
小野 浩司 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10283029)
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キーワード | 液晶 / 高分子 / 回折 / 調光 / 温度 / 波長 |
研究概要 |
平成25年度は、デバイス内部の三次元微細構造形成における液晶分子の挙動などの解析を進めるためにレーザによる光学特性評価に加え、近赤外域(800nm)から赤外波長領域(1000nm)以上での分光器による評価を導入した。この結果に基づき入射する波長とその偏光状態に応じて、回折と透過を切り替え可能な新しい機能を有するデバイス試作への展開が可能になった。 さらに、高分子材料として等方性モノマー材料や、1.7程度と大きな屈折率を有する光重合性液晶モノマーのような異方性材料などを有機複合体材料として用いることで、これらのデバイスの光学特性を感温型デバイスへと応用するための研究を行った。具体的な結果としては、膜厚を10μmと25μmとに変化して作製した場合、10μmでは、500nm~700nm程度の主に可視領域での透過率に変化が生じた。これに対して素子の膜厚を25μmへと増加した場合は、550nm~650nmの可視領域での回折特性には変化があまり見られなかったのに対して、700nm~1000nm程度での波長領域では温度増加に対して透過率に20%以上の変化が生じた。これらの調光特性を定量的に評価するため、太陽光中に含まれる波長領域に対する制御量である日射制御能と、透明性を表す可視制御能の基本式を導入して調光制御特性の温度依存性に関する解析を行い、25μmの素子膜厚では、温度増加に対して可視制御能は6%以下の変化であったが、日射制御能は15%と大きな変化を示した。つまり、透明性を有した状態で太陽光に含まれる赤外領域の光線を優先して制御する能力を実証した。 以上のような研究の進捗により得られた重要な知見を広く発信するため、専門性の高い国際会議として国内ではマイクロオプティクスコンファレンスに参加して発表を行った。さらに、海外では、Photonic West2014において発表を行った。
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