研究課題/領域番号 |
23560432
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山本 学 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (20301939)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | アンテナ / MIMO技術 / UWB技術 |
研究概要 |
本研究の目的は,MIMO技術およびUWB技術を利用した高速無線伝送方式に適用可能な小型アンテナ技術を開発・提供することにより,次世代高速無線システムの実用化・飛躍的発展に資するところにある.今年度は,MIMO用小型高性能アンテナの基本技術に関する検討を行い,以下の成果を得た.(1)MIMO用小型アンテナシステムを構成するための小型アンテナ素子として,超広帯域化への対応が可能な葉状ボウタイ型の放射素子からなる広帯域ダイポールアンテナおよびスロットアンテナを開発した.理想的な励振状態を仮定した上で,放射指向性および利得の周波数特性が,次世代高速無線通信システムで用いられる周波数帯において一様となるように,放射素子の形状・配置法等について,数値シミュレーションと測定の両面から最適化を行った.次に,放射素子を励振するための伝送線路として,平面型伝送線路であるマイクロストリップ線路を採用し,上述のアンテナ素子と,本伝送線路とを同一基板上に集積化した場合について,アンテナ素子と線路との最適な結合法を開発した.(2)MIMO用小型アンテナシステムを模擬した基本モデルとして,上記(1)の広帯域アンテナ素子を同一基板上に2素子配置したアンテナ系について,数値シミュレーションを行い,アンテナ素子間の相互結合を評価する.その結果を踏まえつつ,アンテナ素子間の相互干渉抑制の観点から,小型アンテナ素子の形状と配置法の最適化を行った.(3)上記(1)の広帯域アンテナ素子をメタマテリアルの一種であるマッシュルーム型EBG基板上に配置した場合について,EBG基板の構造を最適化することにより,上記(1)のアンテナ素子を広帯域にわたり単一指向性化することが可能であることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度に計画していたMIMO用小型アンテナシステムのためのアンテナ素子の開発に成功するとともに,本アンテナ素子をEBG基板上に配置した場合について,広帯域にわたり単一指向性化することが可能であることを明らかにした.後者は,次年度以降において計画している人体近接時のアンテナ特性変動を最小化する手法の開発に資する成果であり,以上のことから,当初の計画以上に進展していると判断される.
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今後の研究の推進方策 |
本年度で得られた成果に基づき,次年度以降は,次の項目につき検討を進める.超広帯域小型高性能アンテナ技術: MIMO技術とUWB技術が併用される場合にも対応するために,本年度に開発した小型高性能アンテナ素子について,超広帯域化のための基本検討を行う.人体近接時のアンテナ特性改善技術:高速無線伝送方式用小型アンテナシステムに適用可能な,人体近接時のアンテナ特性改善技術の開発を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度において,小型アンテナ素子の測定による最適化を実施するための物品費として,測定器と被測定アンテナを接続するための高精度ケーブル購入費を計上していたが,現有の測定ケーブルで目的とする測定が実現可能であることが判明し,当該物品の購入を取り止めたため,本年度研究費の使用残額が生じた.この使用残額は,次年度において購入を予定している数値計算用ワークステーション導入の際に活用する.
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