研究課題/領域番号 |
23560433
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
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研究分担者 |
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
今井 卓 北見工業大学, 工学部, 助教 (00584575)
大島 功三 旭川工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (10310971)
川村 武 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80234128)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 移動体通信 / 高度道路交通システム(ITS) / シミュレーション工学 / 次世代交通システム / 情報通信工学 |
研究概要 |
平成23年度の研究では「UHF帯電波を用いたITS技術による自動車衝突防止システムの開発に関する研究」として、特に下記の4点を柱とした研究を遂行した。尚、研究成果に関しては論文及び国際会議等において積極的に発表を行った。1. 住宅地及び市街地交差点における電波伝搬特性解析:UHF帯電波を対象とした住宅地及び市街地交差点における3次元電波伝搬解析を行った。その結果、住宅地交差点では家屋塀及び大地が見通し外領域における伝搬損失特性に影響を与える事が明らかとなった。また、市街地交差点ではマルチパス環境下の道路上における電波伝搬特性の解析を行い、道路上における電界分布及び伝搬経路、受信信号振幅の確率分布等を明らかにした。2. 自動車搭載UHF帯アンテナの指向性距離依存特性解析:車載アンテナの指向性は自動車ボディ,アンテナ位置,大地等の影響を大きく受ける。更に,指向性は無限遠方において定義されるが,実際の自動車通信は有限距離において行われる。今年度はアンテナ取付け位置,大地の電気定数の違いが有限距離指向性に与える影響を明らかにした。3. 自動車搭載アンテナの到来方向推定に関する研究:交差点における電波伝搬メカニズムの解明、交差点衝突防止レーダの開発においては高精度な到来波推定法が必要となる。特に衝突防止レーダにおいては、到来方向だけでは無く対象物との距離も重要なパラメータとなる。今年度はMUSIC法,GA等を用いた波源近傍における到来波推定の高精度化に関する検討を行った。4. GPUを用いた超並列電磁界計算に関する研究:近年、演算性能・エネルギー効率の向上が目覚ましいGPUを用いた高速数値計算が注目されている。エクサスケールの次世代スーパーコンピュータにおいてはGPUによる計算が必須となる可能性が高い。今年度はGPUを用いた超並列電磁界解析のための基礎的プログラムの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画において、H23年度実施予定の「ITS用周波数におけるアンテナ自動車搭載時の性能評価」及び「交差点電波伝搬」、「電波到来方向指定」、「ITS用周波数帯を用いた交差点衝突防止レーダ」の4項目のうち、「ITS用周波数帯を用いた交差点衝突防止レーダ」に関しては来年度実施に予定を変更したが、H24年度以降に実施予定の「GPU Parallel Computing」の一部については前倒しで研究に着手している。上記の状況から、概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、H23年度に着手した各研究項目についても引き続き研究を深めていく予定である。また、昨年度予定していた「ITS用周波数帯を用いた交差点衝突防止レーダ」に関しても研究を行う予定である。具体的には、720MHz及び5.8GHz帯のITS周波数,近年注目され始めた24GHz帯,現存の60GHz帯等について自動車,二輪車及び歩行者等のレーダ断面積等を調査する予定である。更に、これまでの研究成果を踏まえ、当初の研究計画に則り「アンテナ自動最適設計」及び「多周波共用アンテナ」に関する研究に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、今年度に引き続き計算機シミュレーションを行うために計算機利用料として42万円を使用する予定である。また、学外の研究分担者との打合せを行うための旅費として10万円、研究成果の発表旅費として30万円、論文の投稿料として8万円を使用する予定である。
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