既存の映像信号の国際標準の高能率符号化方式よりも更に優れた性能を実現する新しい映像符号化方式の研究を行った.既存の方式は,既に符号化された画像の情報のみを用いる「因果的符号化」と呼ばれる方式であったのに対し,未だ符号化されていない画像の情報までを利用して一括処理を行う「非因果的符号化」と呼ばれる新しいアプローチを提案した. 方式や対象画像にも依るが,約6dBの画質改善が実現された.また,関連して,イメージ・リターゲッテイング技術(複数映像の多重表示技術)に適用した成果を挙げた.結果として,①符号器構成の並列化,②符号化能率の向上,③符号器適用範囲の拡大,の3目標を達成した.
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