研究課題
最終年度である,まず,昨年度までに解析をすすめたチャネル相関係数の確率密度関数に関する実験的検証を進め,ターゲットの有無による変動が,ほぼ理論で予測した範囲内に現れることを確認し,理論式の導出の際に用いた仮定の妥当性を明らかにした.これらの結果をもとに,様々な環境における検出実験を行った.セキュリティ目的での応用の際は,部屋の内部での変動か,部屋の外部での変動かの判断が重要となる.今年度の検討では変動の位置と大きさを調べるため,計測システムをセンサからレーダ,すなわちある程度の周波数帯域幅を用い距離計測が可能なシステムに拡張し,ターゲットの有無,および,その位置,また多重反射がどのように観測されるかを明らかにした.その結果,直接反射波,2回反射波で電界の向きが変動するため,偏波に敏感なポラリメトリセンサ,あるいは円偏波アンテナの組み合わせを適切に選ぶことにより,ターゲットからの直接反射波のみに敏感なシステムとすることができることを明らかにした.また,MIMOレーダ化した際に得られた解析結果から,適切な中心周波数,周波数帯域,パルス繰り返し周期を設定することにより,人の動き程度の小さなドップラ周波数変動も容易に観測できることが分かった.これにより,マルチパス反射環境での,人物エコーのみのイメージング,すなわち壁などの反射波の除去が容易にできる.このようにドップラを利用することにより,少ないアンテナ数,比較的狭い周波数帯域幅で,屋内の人物の動きの追跡が可能となることが分かった.このような動き・モーションに関するセンシングへの発展が今後の研究課題である.
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