研究課題
本課題では、映像から自己位置を推定し、自律的に走行できる探査ロボットを、レスキュー現場に複数台配備する状況を想定している。この際、伝送される膨大な映像データが、通信路の限られた伝送容量を圧迫し、通信が不安定となる問題が生じる。昨年度は、認識処理については、高いビット深度を持つ撮像画像の色成分を用い、視認性の高いトーン・マッピング方法について研究を行い、非線形写像として一般化することで、高圧縮率かつ可逆なトーン・マッピングを提案した。本年度はこの内容を更に発展させ、砂地や雪上などの様々な環境における実証試験を行い、実践的な環境における様々なデータを取得した。また、圧縮処理については、昨年度はより少ない成分とビット深度への集約法について研究を行った。本年度はその内容を更に発展させ、自己位置推定に適した色彩空間を探索し、非線形処理を導入することで、自己位置推定の高精度化を試みた。結果、昨年度の課題であった旋回運動時の自己位置推定について、高精度化を実現できた。以上より、本課題により、自己位置推定に必要最小の成分のみを抽出して伝送することで、データ量を大幅に圧縮できる機能的階層符号化に、カラー成分の非線形写像とビット深度の類別符号化が導入され、特徴点が不明確な床面上での安定した自律走行が実現された。今後は、屋上における有害鳥の監視などへの応用や、工場やビルの一時的な夜間見回りなど、様々な応用について検討する。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件)
IEICE Trans. Fundamentals
巻: E97-A ページ: 1-8
巻: Vol.J96-A, No.7 ページ: 462-470
APSIPA Transactions on Signal and Information Processing
巻: 2 ページ: 1-10