研究課題/領域番号 |
23560447
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
岩田 賢一 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80284313)
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キーワード | 情報理論 / 通信路符号 / Polar符号 |
研究概要 |
Arikanは2元入力無記憶通信路の対称通信路容量を符号長Nとともに計算量O(N log N)の符号化および復号化で達成するPolar符号を提案した.Arikanの提案したPolar符号では符号の構成には符号長に対して指数関数時間の計算複雑度を要する.Polar符号の符号構成法における計算複雑度の改善として通信路における相互情報量の解析を行い,Polar符号の構成法に関して次の結果が得られた.まず,平成23年度に行った結果として,channel combiningとchannel splittingを操作した通信路と同じ通信路容量を有する別の2元対称通信路の結合の形式において,KurkoskiとYagiが提案した動的計画法を適用した通信路容量の近似を用いることができることを明らかにした.本年度は次の3点について研究を行った. 1. 平成24年度はKurkoski と Yagiが提案した動的計画法による量子化のアルゴリズムに対して,本研究課題の問題に対しては,SMAWKアルゴリズムを利用するが可能であることを明らかにし,Polar符号の構成における計算複雑量の改善できることを示した. 2. 平成23年度に行った本研究としArikanが提案したpolar符号の構成について,電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティFundamentals Reviewにおいて,固定長の情報源符号化と通信路符号化について述べると共に,polar符号のCプログラミングによる例を紹介するとともに計算機実験結果を示した. 3. Polar符号の効率的な構成法に関連して,Hamming符号における並列符号化と並列復号化における効率的な構成法のある種の最適化に関する研究を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的に述べたArikanがPolar符号の課題として残した符号長に対して指数関数時間の計算複雑度を要する符号構成法の改善に関して,平成23年度にchannel combiningとchannel splittingを操作した通信路と同じ通信路容量を有する別の2元対称通信路の結合の形式において,KurkoskiとYagiが提案した動的計画法を適用した通信路容量の近似を用いることができることを明らかにした.さらに,平成24年度にはKurkoski と Yagiが提案した動的計画法による量子化のアルゴリズムに対して,本研究課題の問題に対しては,SMAWKアルゴリズムを利用するが可能であることを明らかにし,Polar符号の構成における計算複雑量の改善できることを示した.また,Polar符号の計算機実験による評価については,電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティFundamentals Reviewにおいて,Polar符号の考え方に基づく固定長の情報源符号化と通信路符号化について述べると共に,polar符号のCプログラミングによる例を紹介するとともに計算機実験結果を示した.
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今後の研究の推進方策 |
研究の目的に述べたArikanがPolar符号の課題として残した符号長に対して指数関数時間の計算複雑度を要する符号構成法の改善に関して更なる改良と評価を行う.これとともに,これまでの研究結果を精査するとともに論文としてまとめて発表する予定である.また,Polar符号の効率的な構成法に関連して,Hamming符号における並列符号化と並列復号化における効率的な構成法のある種の最適化に関して研究を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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