研究課題/領域番号 |
23560449
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山里 敬也 名古屋大学, 教養教育院, 教授 (20252265)
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キーワード | 可視光通信 / 高速度カメラ / 路車間通信 / 位相限定相関法 |
研究概要 |
本研究では、可視光通信によるインフラ協調型安全運転支援システムの実現を目的に、可視光通信による路車間データ伝送および車車間データ伝送について検討する。具体的には、車輌が遠方から交差点へ進入するケースを想定し、路車側送信機として LED 信号機、車輌側送信機として LED テール ランプを考え、これら複数データの同時受信を行う。受信機は、走行車両に搭載した高速度カメラを用い、異なる情報源をそれぞれ個別に認識、追従することで、異なる情報を得る。このように、運転者が視覚的に認識することができる信号情報やテールランプの情報に加えて可視光通信により安全運転支援情報も送信できるため、交差点事故の削減に寄与できるものと考えている。 平成24年度は、これまで利用していた高速度カメラシステム一式を新しくした。システム性能が向上したため、より複雑なアルゴリズムにも対応できるようになる。現在、このシステムへのソフトウェア等の移植を行っているところだる。残念ながら、システム構成が大幅に変更になったため、これまで利用していたソフトウェアがそのまま利用できず、かなりの部分を変更する必要がある。特に高速度カメラに関わるドライバ、メモリ処理などのプログラムは、非常に高速処理が求められるため、よりシンプルかつ高速なアルゴリズにすべく検討が必要になる。現在、それらの検討を行っているところである。 また、並行して複数情報源の高速認識および追従アルゴリズムの検討を行った。具体的には、ブロックマッチングによる複数情報源の高速認識および追従アルゴリズムを確立した。その成果は、電子情報通信学会論文誌論文として掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、可視光通信によるインフラ協調型安全運転支援システムの実現を目的に、可視光通信による路車間データ伝送および車車間データ伝送について検討する。具体的には、車輌が遠方から交差点へ進入するケースを想定し、路車側送信機として LED 信号機、車輌側送信機として LED テール ランプを考え、これら複数データの同時受信を行う。受信機は、走行車両に搭載した高速度カメラを用い、異なる情報源をそれぞれ個別に認識、追従することで、異なる情報を得る。このように、運転者が視覚的に認識することができる信号情報やテールランプの情報に加えて可視光通信により安全運転支援情報も送信できるため、交差点事故の削減に寄与できるものと考えている。 平成24年度は、複数情報源の高速認識および追従アルゴリズムの検討を行った。具体的には、ブロックマッチングによる複数情報源の高速認識および追従アルゴリズムを確立した。その成果は、電子情報通信学会論文誌論文として掲載された。また、さらにLED位置の推定精度を向上されるべく、位相限定相関法に基づくサブピクセルレベルでのLED位置推定アルゴリズムを確立した。静止環境で 0.01ピクセルの精度を達成しており、それによるLEDアレイと高速度カメラ間の距離推定を行うシステムを提案した。結果として、距離60mで推定精度 10cm 以内となることを確認している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度に購入した設備備品である高速度カメラシステムへのソフトウェアの移植を引き続き行う。また、並行して、新しい可視光通信モデルの確立を行う。これまで、可視光通信の通信路モデルは、強度変調/フォトダイオード受信機を想定したものがほとんどで、本研究のような高速度カメラを想定したものは無い。本研究では、この通信路をカメラの視点から捉えることで新しい可視光通信システムの設計指針を構築し、それにもとづく複数情報源の高速認識および追従アルゴリズム,そしてデータ受信について検討する。 また、平成25年度は本研究の最終年度にあたるため、国内外の学会等で本研究の成果を積極的に報告していく所存である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、平成24年度に購入した設備備品である高速度カメラシステムへのソフトウェアの移植を引き続き行う。研究費の一部は、このソフトウェア開発および必要となる備品購入費にあてる。 また、平成25年度は本研究の最終年度にあたるため、国内外の学会等で本研究の成果を積極的に報告していく所存である。研究経費の一部は、これら成果発表のための費用(旅費、学会参加費、論文掲載料など)として活用する。
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