平成25年度も情報通信研究機構(NICT)と共同研究契約を継続し,研究内容について連携を行いながら推進した.まず目的Cの宇宙光通信に最適な長消失符号の構築については,衛星開発の要求条件として装置の小型化が求められているため,符号化の信号処理に関しても装置設計に負担を掛けない手法が求められていた.そのためこのことを制約条件にした場合の最適符号の比較検討を行い,符号長が短~中程度の長さの場合,LT(Luby transform)符号の消失訂正能力がLDGM(low-density generator matrix)符号よりも優れており,実装に向いていることを明らかにした.次に同じく目的Cの小型衛星への実装について,NICTが平成26年度以降に打上げる予定のSOCRATES (Space Optical Communications Research Advanced Technology Satellite)衛星に搭載する小型光トランスポンダ(SOTA : Small Optical TrAnsponder)に,LDGM消失訂正符号を搭載する装置の設計について協力を行った.目的Dの検討結果のCCSDSへの提案と標準技術策定については,平成25年度も参加の機会が無く,またSpecial Interest Group of Optical Coding and Modulation(OCM-SIG)が2014年1月にOptical Communications Working Group(SLS-OPT)のワーキンググループに格上げされ,今後の参加の見通しが不透明となった.しかしながらNICTメンバーは主要メンバーとして参画しており,平成26年度以降も共同研究契約を継続するため,引き続き標準化策定活動に協力する予定である.
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