平成27年度の研究においては、提案してきたTotal Variation フィルタを用いた超解像システムのさらなる性能向上を行った。 最大の課題はショックフィルタのジャギーノイズによって動画像にフリッカに生ずるという問題であり、空間的処理のみならず時間方向の処理も検討した。最終的にはショックフィルタの特性を表す数式を改良することで、ジャギー基づく動画像フリッカノイズについていくつかの対応策を講じた。結果としては、ショックフィルタの演算式の改良を行った。この結果、ほぼ実用的なレベルまでフリッカノイズの軽減することに成功した。 一般の画像に超解像を施すと多くの画像は先鋭感を増すが、人間の顔像に関してのみは、施さないほうが良い場合が多いので顔検出を行い、顔の部分のみ超解像を行わないというシステムを構築した。 システムの実装においては前年度に引き続いてGPUへの実装を行ったが、平行してFPGAへの実装を行った。まず、最も時間を要するTotal Variation フィルタ部のハード化をFPGAによって行った。画像のブロック毎の処理によるブロックひずみは検知限以下であることを確認し、FPGA化への目途をつけた。 これらの成果を国内学会発表2件、国際会議発表1件にて発表した。
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