研究課題
新しい記録原理に基づくフラッシュ符号の構成法について検討を行った.平成24年度までの研究においては,消去ブロックに属するセルを「スライス」と呼ばれる小単位に分割し,スライス単位でデータ記録を行う方式について検討を進めてきた.スライスのサイズをできるだけ小さく取り,符号化方式を工夫することによって,書き換え不足量と呼ばれる性能指標を改善できることを確認してきたが,その一方,データ記録のレートを向上させた際の性能劣化の問題については,効果的な解決手法が得られていない状況であった.この問題に対処するため,平成25年度の研究においては,スライスとは異なる論理構造をスライスと併用する符号化方式について検討を行った.検討した符号化方式は大きく3つに分類することができる.第1のタイプはdual-mode符号化方式と呼ばれるものであり,ある意味でスライスと直交する概念である「クラスタ」と呼ばれる論理構造を併用する.第2のタイプはスライスのインデックス再定義を許す符号化方式であり,従来のスライス型符号から自然に拡張して得られるものとなっている.第3のタイプは「可変セグメント」と呼ばれる構造を用いることでデータ記録レートを大幅に改善することを狙ったものであり,検討した3つの方式の中では,標記の問題解決においてもっとも効果的であった.いずれの方式も異なった特性を持つため,単純な優劣を定めることは難しいが,書き換え不足量の削減とデータ記録レートの改善という二つの問題を同時に解決することができたという意味で,より実用的なフラッシュ符号の構成に成功したと結論付けることができる.
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