研究課題/領域番号 |
23560460
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
常田 明夫 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (40274493)
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研究分担者 |
吉岡 大三郎 崇城大学, 情報学部, 准教授 (70435147)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | M系列 / Gold系列 / CDMA / 非線形フィードバックシフトレジスタ / 負相関系列 / ユニポーラ符号 |
研究概要 |
(1) M系列は同じ長さの系列の種類が極めて少ないため、このままCDMA用のスペクトル拡散符号としては利用し難い。1つのM系列から6つの2値関数(論理関数)を用いることで、6種類の負相関系列を生成可能であることを既に明かにしており、これらはM系列を生成するLFSRの上位3ビットを用いて3入力1出力の論理関数として構成される。そこで、上位3ビットを4ビット以上に拡張することにより、さらに多くの負相関系列を生成できるかどうか検討した。その結果、24個の2値関数があり、一つのM系列から24個の負相関系列が生成できることを明らかにした。さらに、この提案系列を非同期DS/CDMA通信におけるスペクトル拡散符号として用いた場合、従来のGold系列よりもビット誤り率が低減できることを明らかにした。(2) 電波を用いたCDMA通信における2値のスペクトル拡散符号は通常1と-1の信号を用いるバイポーラ符号を用いているが、光通信においては、光の点滅により通信を行うため、1と0のユニポーラ符号として利用する必要がある。ユニポーラ符号を用いた光CDMA通信方式として、バイポーラ符号の相関特性を活かせるSIK(sequence inversion keyed)方式が提案されており、NFSR(非線形フィードバックレジスタ)系列およびGold系列を用いたSIK方式光CDMA 通信の性能を評価した。その結果、SIK方式CDMAの場合、NFSRに基づいた系列は、バイポーラの場合と同様、負相関化することで元の無相関系列よりも低いBERを達成したが、Gold系列の場合は、バイポーラの場合よりもBER特性が極端に悪化することを明らかにした。これは、0と1のバランス性に起因するものだと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、カオス理論とLFSR/NFSRに基づいて設計した負相関符号系列の諸特性(自己/相互相関特性など)とCDMA通信における性能(ビット誤り率)明らかにし、関連の研究発表も多数行ったため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、カオス理論とLFSR/NFSRに基づいた符号系列の設計と応用について検討する。特に、CDMA技術を応用した屋内測位システムに提案符号系列を応用した場合の性能評価や光CDMA通信への応用について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今後、超音波を用いた屋内測位システムや、LEDを用いた可視光通信の簡易実験を行う予定であるため、平成23年度から繰り越した研究費は、そのような実験設備のために使用する計画である。また、国内外での研究発表も積極的に行っていく。
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