研究課題/領域番号 |
23560463
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
岡 育生 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80160646)
|
キーワード | 変調識別 / モーメント / ブロック長推定 / QAM |
研究概要 |
本年度は,シンボルバイシンボル変調における信号検出と変調識別に適した方式として,受信振幅の高次モーメントと分散を組み合わせた直交振幅変調(QAM)の識別法を提案し,その評価を行った.実際の環境での動作を評価するため,タイミングオフセットを考慮し,まず,タイミングオフセットを高次モーメントを用いて推定した.次に,シンボル中央の振幅値のモーメントを用いてQAMの識別を行った.16QAMと64QAMの識別誤り率のシミュレーション結果より,提案手法の有効性を明らかにした. また,ブロック変調におけるブロック長推定精度の向上を目的として,周期周波数の判定結果において,各ブロック長と判定結果の距離を定義して,この距離が最小となるブロック長推定を行う方法について検討を行った.ブロック長推定成功率のシミュレーションを行い,従来の,すべての周期周波数が完全に検出できた場合を推定成功とする方法と比較して,推定成功率が改善されることを示した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は,次の2項目について成果が得られ,概ね,計画通りの成果が得られた. ・QAMの変調識別において,判定変数を受信振幅の高次モーメントと分散を組み合わせることにより識別誤り率を改善した. ・受信振幅の高次モーメントを解析的に導出した. ・振幅の高次モーメントの特徴を利用したタイミングオフセット推定法を見出し,変調識別に適用した.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,これまでに得られた結果の拡張に加えて,次の項目の検討を行う. ・周期定常性を用いた信号検出では,警報誤り率を設定して,信号検出確率を求めている.この誤報となる警報誤り率を改善する方法について検討する. ・高次モーメントと分散を用いた変調識別において,識別誤り率を解析的に評価する. ・ブロック変調の識別について,ブロック長が16,32,64の長い場合に有効となるブロック変調識別法を開発する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究業績を発表する国際会議への投稿が遅れ,次年度での発表予定となったため. 次年度で,研究業績を国際会議で発表するための旅費として使用する.
|