研究課題/領域番号 |
23560477
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
上林 真司 中京大学, 工学部, 教授 (60555415)
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研究分担者 |
清水 優 中京大学, 工学部, 准教授 (40235669)
藤原 孝幸 北海道情報大学, 情報メディア学部, 准教授 (90373068)
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キーワード | 位置推定 / TOA / TDOA / NLOS / UWB / 反射波 |
研究概要 |
昨年度までに、既存の障害物による反射波を利用した少数基地局による位置推定法を開発し、計算機シミュレーションと、UWB無線機を用いた実験によりその有効性を示し、誤差評価を行った。本研究は、簡易な位置推定システムの実現を目的としており、最終的に一基地局による位置推定を目指したが、3次元位置推定を実現するためには、基地局で3波以上の到来波(直接波と2波以上のの反射波、又は3波以上の反射波)を受信する必要があった。既存の障害物(壁、床、天井、什器等)からの反射波だけでは、この条件を満たすエリアは、位置推定エリア内の限られた領域であった。 最終年度は、既存の障害物からの反射波だけではなく、精密に設計した反射体を配置することににより、位置推定エリア内のほとんどの領域で位置推定を可能とする位置推定方法を開発した。まず、平面反射体を用いる方法を開発し、必要な反射体のサイズ、推定精度を計算機シミュレーションと実験により評価した。反射体の配置(場所、向き)を正確に把握できれば、高い推定精度は実現できるが、見通しの得られないエリア全体をカバーするためには、一般に大型の反射体が必要になることが分かった。次に精度よく設計した曲面反射体を用いれば小型の反射体で高精度の位置推定が可能なことを理論検討により示した。現在、計算機シミュレーション、及び実験により検証し、本成果を論文化している。 本研究では、反射波を用いることにより、見通し外(Non Line Of Sight: NLOS)環境におけるUWB信号による位置推定を少数基地局(最小は一基地局)で実現できることを実証し、その推定精度を明らかにすることができた。
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