研究課題
本年度は最終年度にあたり,昨年度までに開発したアルゴリズムを一部改良したものを,実際に手で保持して運用可能なWindows8タブレットPCに実装し,印刷画像を撮影した画像からデータを抽出するアルゴリズムについての評価と撮影用インタフェースの検討を行った.ここで用いたアルゴリズムでは,前年までの1枚の画像のみを用いる手法を改良し,撮影した画像の評価を導入することで複数枚の画像から最も条件の良い画像を用いてデータ検出を行う手法となっている.また,撮影用インタフェースについてもできるだけ,幾何歪みが生じにくい方式を採用している.評価結果としては,PSNR40dBで112ビットのデータ埋め込みに対して,平均して約95%の検出率が得られており,条件の良い場合には97%を超える結果が得られている.また,画像の解像度やブロック分割数の変更に対する対応や,仮想現実のマーカとして用いるために,離散フーリエ変換を用いて周波数領域にマーカを埋め込む手法について検討した.円周上にマーカを配置することで不可視のマーカを用いて,解像度などの情報をデータ抽出ソフトウェアに伝達することが可能となった.このマーカの読み取りに関しては現在の画像補整アルゴリズムと組み合わせることで,ほぼ100%の検出率が得られており,実用的なレベルに近づけることができた.データの埋め込み量については,前年までに開発したアルゴリズムにおいて,目標の英数字35文字が達成可能となっている.今後,これらのアルゴリズムを統合していくことにより,当初計画した.A4 からはがき大程度の印刷物に埋め込まれたデータを,携帯電話に付属するカメラを用いて取り出す技術の開発については,ほぼ達成できたものと考えている.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
IEICE Trans. Fundamentals
巻: E96-A ページ: 2194-2197
10.1587/transfun.E96.A.2194
Proc. 2013 International Workshop on Smart Info-Media Systems in Asia
ページ: 214-219
巻: vol. E96-A, no.6 ページ: 1214-1221
10.1587/transfun.E96.A.1214