研究課題/領域番号 |
23560481
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沖 一雄 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50292628)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 流域解析 / リモートセンシング / 流域物質循環モデル |
研究概要 |
平成23年度は、流域における各種環境情報のデータベース化、モデル検証のための各河川の水質調査、土地被覆分布の作成に力を注ぎ、流域窒素循環モデル構築の初期的な開発を実施した。具体的には、(1) 流域における各種環境情報のデータベース化において、霞ヶ浦流域における面源(各土地利用別)および点源(生活排水など)の汚濁負荷量原単位および流入汚濁負荷量算出のため、流域の各種環境情報(人口、流域の地形など)を収集し、GIS(地理情報システム)によりデータベース化をおこなった。(2)モデル検証のための各河川の水質調査においては、過去において各自治体が観測した霞ヶ浦に流れ込んでいる各河川の水質(窒素)および流量データを集めた。また、日本全域の汚濁負荷量マップ作成のために日本全域を対象として各自治体が観測した各河川の水質データも集めた。(3)土地被覆分布の作成においては、既に研究代表者により開発されている衛星リモートセンシング画像データを使用した分類手法により過去20年間の変化を考慮した霞ヶ浦流域の土地被覆分布を作成した。さらに、日本全域の土地被覆分布を評価するために広範囲観測に適したMODIS衛星データを収集した。そして、収集されたMODISデータを用いて日本全域における高精度土地被覆分布図も作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、霞ヶ浦流域における各種環境情報のデータベース化、モデル検証のための日本全域を対象とした各河川の水質デーたの収集、霞ヶ浦流域の土地被覆分布の作成及び日本全域の土地被覆分布を評価するために広範囲観測に適したMODIS衛星データの収集、さらに収集されたMODISデータを用いて日本全域における高精度土地被覆分布図の作成に関して達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)モデル検証のための各河川の水質調査:窒素循環モデルの検証用として平成23年度の水質調査を引き続き実施する。(2)日本全域の土地被覆分布の作成および検証:平成23年度につづいて、MODISデータによる日本全域における高精度土地被覆分布を作成し、精度良く土地被覆状態が評価されているか検証する。(3)流域窒素循環モデルの構築:平成23年度につづいて流域窒素循環モデルの構築を開発する。ここでは、平成23年度において、リモートセンシングにより評価された過去20年間の土地被覆分布とGISによりデータベース化された流域の各種環境情報(人口、流域の地形など)を空間的に統合し、統合された空間情報システムにより窒素汚濁負荷量推定モデルの開発をおこなう。特に、点源(生活排水など)データを考慮したことによるこのモデルの有効性を検証する。最終的には、生態系における物質の循環を定量的に把握するため、農地・都市および流域における窒素循環を評価する。(4)将来予想される気候変動と人間活動(土地変動)の影響評価:収集されたデータとモデルを用いて、21世紀の温暖化シミュレーションに対して、人間活動に伴うと考えられる将来の土地利用・気候変動による流域の窒素循環への影響とリスク評価を行って、河川湖沼海洋での汚染の発生要因を解明し、生態系を持続させるための人間活動のあり方を提案する。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)モデル検証のための各河川の水質調査について、各河川での水質、流量測定として大学院生3人ほどの調査補助が必要であるため謝金が必要となる。(2)日本全域の土地被覆分布の作成および検証について、MODISデータによる日本全域における土地被覆分布が精度よく評価されているかを検証するために、土地被覆の精度検証のための高分解能衛星画像の購入費用及び大学院生2人ほどの調査補助、そして、それのデータ(資料)整理として1名ほどが必要であるため謝金が必要となる。(3)流域窒素循環モデルの構築のために、国土数値情報の購入費用及び現地調査費用が必要である。
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