研究課題/領域番号 |
23560484
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西 竜志 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10335581)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | グローバルサプライチェーン / 生産計画 / 不確定需要 / 契約決定 / 同時最適化 / 外部近似法 / 混合整数非線形計画問題 / 国際輸送問題 |
研究概要 |
本研究は, グローバル生産のためのサプライチェーン計画問題に対する同時最適化手法に関する研究であり, 研究実績および得られた知見は以下に示すとおりである.1. グローバル生産のためのサプライチェーンのモデル化と最適化モデルについて検討した.複数の国際拠点を持つ国際輸送計画問題のモデル化を行うとともに,不確実需要下において,サプライヤとの取引契約と生産量や在庫量を同時に決定する単一期間のサプライチェーン計画問題を非線形混合整数計画問題としてモデル化した.2. 不確実需要下で数量割引を考慮した取引契約の下でのサプライチェーン計画問題に対し, 外部近似法とヒューリスティクスを組み合わせた解法のアルゴリズムを開発した.開発したアルゴリズムと,分枝限定法と非線形計画法を組み合わせた従来法との性能比較を行った結果,上界値算出に逐次二次計画法を採用した提案手法によって小規模問題では最適解が得られること, および大規模問題に対しては, 上界値算出にヒューリスティックスを採用した方法が有効であることを確認した.国際配送問題に対しては,ヒューリスティック解法,並びに数理計画手法に基づく近似解法を開発した.3. 主従関係を有するサプライヤと生産者間での契約数量や注文量を最適に調整するStackerberg Gameモデルに基づく最適化手法を提案し,その有効性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に設定した初年度の課題をおおむね遂行し,研究成果としての論文も多数は出版,もしくは採録決定済みである.したがって,研究計画はおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
次年度の研究にあたり,カナダのWinsor大学から外国人招へい研究者としてZhang教授を招へいし,グローバルサプライチェーンネットワークの設計と運用に関する共同研究を実施することによって,研究を推進する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の見込み額と執行額は異なったが,研究計画に変更はなく,前年度の研究費も含めて,当初の予定通りに研究を進めていく.研究成果発表に当初必要であった外国旅費(650千円)を次年度に繰り越す. 実問題で用いられる経験的規則の導入による解の探索範囲の削減などを適用し, 計算時間の短縮を行う. 最適化計算用コンピュータ5台(750千円)を申請する. 開発した最適化アルゴリズムの比較実験を目的として,大学の研究者との研究打合せのための研究打合せ旅費(150千円)を申請する. 得られた成果をまとめ, 国内外の雑誌論文に投稿する. 海外での研究成果のため, 外国旅費(300千円)を申請する.
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