研究課題/領域番号 |
23560493
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
安倍 正人 岩手大学, 工学部, 教授 (00159443)
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キーワード | FDTD法 / 非破壊診断 / 大規模コンクリート構造体 |
研究概要 |
八戸港で実験したケーソンのデータを3種類解析した。内訳は異常ケーソン2個と正常なケーソン1個である。その結果から打撃波形に対するセンサ波形出力は、打撃波形がインパルスであるにもかかわらず指数関数的に減衰することが確かめられた。解析の結果、推定できるパラメータは、振幅、減衰率、周期、位相、時間遅れの5つである。このうち、時間遅れは打撃時刻から反射波がセンサに到来するまでの時間である。合計で6個のセンサを用いた指向性合成により、この時間遅れから反射が生じた場所(ケーソンの境界あるいは欠陥の位置)を求めることができるが、3種類のケーソンの解析の結果、いずれも正しく、欠陥の有無と、欠陥があれば、その位置を推定することができた。 解析には遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて高速化を図っているが、従来は局所解に陥らないように十分な数(1000以上)の遺伝子数を用いなければならず、結果的に高速化に限界があった。そこで、新たに局所解に陥りにくいようにアルゴリズムを改良した。この結果、遺伝子数が200個程度でも遺伝子を1000用いた場合と同程度の収束性が得られた。そして、この成果を国際会議ACOUSTICS2012で発表した。 しかし、上記の改良を用いても依然として解析には時間がかかり、1つのセンサ出力を解析するのに約1週間かかってしまう。そこで、初年度の科研費で購入した、GPUと呼ばれる並列処理マシンに改良したアルゴリズムを移植して解析したが、処理速度はほとんど変わらなかった。 また、FDTD法により計算機シミュレーションで理論的にコンクリート構造体中の波形の伝播を計算した。この結果、単純な直方体や直方体が2個直角につながった構造体中の波形の伝播については計算できるようになった。なおシミュレーションで得られた波形と実測の波形は非常に酷似しており、シミュレーションの妥当性が確かめられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的の1つである、GPUを用いて高速化を図ることは困難だとわかったが、それ以外の点に関しては、順調に解析が行われており、またFDTD法によるシミュレーションも可能になっている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はさらに解析数を増やし、少なくとも今年度と合わせて合計で10個のケーソンを解析したい。また、シミュレーションも、実際の形状に合わせ、より複雑な構造について調査する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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