本研究では、熱波顕微鏡システムによる透明電極-樹脂基材層の熱物性の簡単な評価法を開発することを目的とする。 まず、透明電極のみの熱拡散率を推定する前段階として、その基材となる高分子透明膜を使って、本研究で提案した透明膜の熱拡散率推定法が実際の測定に使えるかどうかを確かめた。透明高分子透明膜として入手しやすい高分子シートを準備し、それぞれの熱拡散率の推定を行った。従来提案した理論では、透明膜を固定するための接着剤の影響が大きくなり、補正する方法を提案した。その結果、推定値がメーカー公表値とかなり良い一致を示し、新たに提案した方法が透明膜の簡単な熱拡散率の推定に使えそうであることが明らかとなった。
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