本研究では,全身麻酔を必要とする手術における麻酔薬の効果の時間的変化を考慮に入れた麻酔制御システムの研究を行った.まず,麻酔薬の効果の時間的変化をモデル化し,長時間の手術でも推定麻酔薬濃度を一定に維持することで適切な鎮静状態が維持できる鎮静度制御法を構成した.また,鎮痛度指標として鎮痛侵害受容指数が従来の指標より有効であることを確認し,麻酔薬と鎮痛薬の相互作用を考慮に入れた鎮静度・鎮痛度制御法を構成した.さらに,手術開始時に適切な鎮痛状態とすることで,構成した制御法で適切な麻酔制御が行えることをシミュレーションにより確認した.
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