研究課題/領域番号 |
23560532
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山口 真悟 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00294653)
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研究分担者 |
宮本 俊幸 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00294041)
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キーワード | 形式手法 / モデル化 / 解析・評価 / アルゴリズム / 制御工学 / モデル検査 |
研究概要 |
マルチカーエレベータシステムの群管理制御器を形式手法に基づいて開発するシステムの実現を目指して、1.エレベータシステムの形式的なモデルの洗練、2.エレベータシステムの形式的な仕様記述の洗練、3.群管理制御器の系統的な構築法の検討、4.群管理制御器のモデル検査法の検討、5.群管理制御器の性能評価法の検討を行った。 1.についてハイレベル・ペトリネットによるモデル化法に加え、Markonらが提案しているS-ringによるモデル化法も明らかにした。2.について時相論理による仕様記述法を明らかにした。また提案法を具体的な仕様記述に適用し、その有用性を確かめた。3.について群管理制御器の動作をS-ringにより状態遷移表として形式化し、複数の状態遷移表を合成することにより新たな群管理制御器を構築する方法を考案した。また、従来より優れた群管理制御アルゴリズムを考案し、今後、合成部品の基礎として活用していく。4.について1.で構築したモデルをCPN ToolsやSPINによってモデル検査する方法を検討した。5.について1.で構築したモデルをCPN Toolsや独自に開発したシミュレータによってシミュレーションする方法を検討した。また本研究の基礎として、ペトリネットの解析技法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画調書のスケジュールでは平成24年度中に1.~5.が完了する計画であった。1.と2.は完了しているが、3.~5.は現在継続中である。一方、6.開発システムの実現は、すでに一部着手している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(平成25年度)が最終年度である。まず3.~5.の完了を急ぐ。4.のモデル検査にはUPPAALも利用する計画だったが、SPINのみの利用とする。また、それらと並行して、6.開発システムの実現を行う。本研究の成果を広く発信すべく、10月にIEEE主催の国際会議GCCE 2013においてスペシャルセッションを開催する(申請者らがオーガナイザ)。以上の成果をとりまとめ、7.研究総括と報告書作成を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度(平成24年度)、旅費と人件費・謝金に未使用額が生じた。旅費に未使用額が生じた理由は、学会が近隣で開催されたからである。また人件費・謝金に未使用額が生じた理由は研究の進捗がやや遅れ、予定していた実験が行えず、実験補助の謝金が執行できなかったからである。これらの未使用額は平成25年度の助成金と合わせて執行する。物品として開発・公開用のパソコンを1台購入する。システムの開発や実験に大学院生の補助を受ける。さらに成果発表のために旅費と論文誌別刷費を必要とする。
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