研究課題
本研究の目的は,多数のサブシステムから構成される大規模遅延結合ネットワークシステムの同期制御問題を考え,従来のシステム間の結合強度と遅延時間に関する同期条件の導出だけでなく,ネットワーク構造を含めた同期ネットワークの設計法を導出することである.さらに,巨視的同期挙動を解析するためのダイナミクスの縮約法を検討し,新たな同期およびパターン形成の制御手法を開発することである.本研究課題の最終年度に当たる本年度は,これまでに得た知見を基に,双方向と一方向が混在する一般的なネットワーク構造におけるネットワーク同期問題について検討した.この結果から,サブテーマc) 大規模ネットワーク系の巨視的同期現象の解析・制御手法の開発について取り組んだ.まず,グラフ理論の公平分割の定義を有向グラフネットワークに対して拡張し用いることで,ネットワーク上の同期可能なサブシステム群を明らかにした.その上で,ネットワーク上の一部のシステムに外生入力を印加した場合に現れる同期パターンについて検討し,外部入力がない状況における同期パターンと,外生入力を入力ノードとして考慮したグラフの最大公平分割との関係から,外生入力の印加による同期パターンの制御の可能性について明らかにした.これらの成果から,同一のダイナミクスを持つ非線形システムを結合することで構成されるネットワークシステムにおいて生じる同期パターンについて,そのパターンの決定原理と外生入力の印加によるパターン制御のための理論が構築できた.ここでの結果は,群移動ロボットなどの群制御にも活用可能であることも実験により検証している.
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IEEE Trans. on Control Systems Technology
巻: 未定 ページ: 未定
Proceedings of 9th IFAC Symposium on Nonlinear Control Systems, 2013
巻: 9 ページ: 755-760
10.3182/20130904-3-FR-2041.00208
http://ctrl.mech.se.tmu.ac.jp/