研究課題/領域番号 |
23560541
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
狩野 弘之 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00246654)
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研究分担者 |
藤岡 寛之 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (10349798)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 制御工学 / スプライン / 曲線曲面 / 軌道計画 |
研究概要 |
Bスプラインを基底関数として用いる場合,および動的システムをスプライン生成器として用いる場合の2通りのアプローチによって最適スプラインの理論とアルゴリズムの研究を行った.(A) Bスプラインによる制約付きスプラインの理論とアルゴリズム:Bスプラインを基底関数として用いる場合について,微分係数に制約を受ける最適スプラインの設計理論の研究を行った.特に点制約や区間制約,また積分値制約などについて,等式,不等式の制約条件,およびそれらの様々な組み合わせの条件を考えた.これらは2次計画問題として定式化することができ,数値計算に適した方法である.またスプラインをベクトル化する一般化の研究やデータ集合が逐次的に与えられる場合に対する逐次型アルゴリズムも導出した.以上の研究の一部は,曲面を扱う2変数スプラインの場合へ拡張した.結果はロボットの軌道計画問題(位置,速度,加速度に制約)や統計学における確率密度関数の近似問題などに応用し有効性を確認している.(B) 動的システムによる制約付きスプラインの理論:動的システムをスプライン生成器として用いる場合について,システムの出力が制約を受ける場合の最適制御理論を導びき,常微分方程式の2点境界値問題などへ応用した.理論的な成果としては,制約がある場合について最適解の存在定理を導いた.高階の非線形微分方程式の2点境界値問題への応用の結果は良好で,従来の方法より高い精度で数値解が得られている.またデータ集合が逐次的に与えられる場合の逐次型アルゴリズムも導出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間に取り組む課題は以下の(A), (B), (C)であり,最初の2年間は課題(A)と(B)とに注力しほぼ完了する計画である.本初年度においては,研究内容の進展,および国際会議発表や論文誌投稿などによる成果の公表はほぼ予定どおりのペースで進んでいる.(A) Bスプラインによる制約付きスプラインの理論とアルゴリズム(B) 動的システムによる制約付きスプラインの理論(C) 制約付きスプラインの非線形問題への拡張と応用
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に沿って,2年間は以下の予定課題のうち (A),(B)の研究に注力しほぼ完成させる.並行して課題(C)について予備的な研究を開始する.(A) Bスプラインによる制約付きスプラインの理論とアルゴリズム(B) 動的システムによる制約付きスプラインの理論(C) 制約付きスプラインの非線形問題への拡張と応用所要額2,340,000円のうち次年度使用額19,968円が生じた.本年度使用の緊急性もなく,次年度予算と合わせて使用するのが有効と判断した.現段階では研究遂行上での変更の必要性や問題点は特にない.
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次年度の研究費の使用計画 |
計算機消耗品などの物品費100,000円,国際会議等の研究成果発表および研究打ち合わせのための旅費として640,000円,講演会開催による講師謝礼として2回分100,000円,および学会参加費や論文掲載料などとして160,000円の使用を計画する.
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