研究課題
本研究は,大型航空機の運行回数が多い大都市国際空港におけるアスファルト舗装の破損形態調査し,その長寿命化方策を検討することが目的であり,初年度は滑走路と誘導路の違いに対する舗装の損傷状況を調査して主な破損形態とその要因を調査した。そして次年度は,破損し難い舗装材料を検討するため,実荷重を受けた状態に近い舗装体を再現する供試体作製法を検討し,耐久性を重視した骨材構造を構成するための分級骨材の配合割合を決める具体的方法について研究した。研究最終年度の平成25年度は,前年度に具体的に配合設計した22種類の混合物すべてに対して塑性流動抵抗性の評価試験を実施し,その性能と設計パラメータの関連性,主要因子について調査した。そして,塑性流動抵抗性が高い配合を数種類選出し,ひび割れ抵抗性を評価するための曲げ疲労試験を実施して,塑性流動抵抗性とひび割れ抵抗性の両方を評価しながら検討を進めた。その結果,耐久性を重視したアスファルト混合物配合設計のための体積特性値,および7つのBailey骨材パラメータのうち,主要なパラメータの特定とその推奨値を設定して提案した。すなわち,塑性流動抵抗性とひび割れ抵抗性の両方に着目したより耐久性の高いアスファルト混合物を配合設計するための主要Bailey骨材パラメータ,および着目すべきSuperpave体積特性値について具体的に選定した。また,これまでは東京国際空港で使用されている骨材のみで検討を行ってきたが,本研究で推奨する骨材パラメータおよび体積特性値の妥当性,汎用性を確かめるために,新潟県内で産出する任意の骨材に対して同じ手続き,同じ基準値で配合設計を行い,そのアスファルト混合物の耐久性を確認した。そして,設計手順,設計要領を整理し,配合設計のプロセスで設計者が具体的に設計パラメータを推奨値に調整し,基準値と比較できるようにガイドラインの素案を作成した。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
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