平成25年度の目的は,「遅延膨張性ASRに適したJISのASR試験法に代わる新しい試験法を提案する」ことであった.当初計画した促進膨張試験は,沖縄の塩害環境を考慮に入れ,NaCl溶液(温度50℃)を用いた乾湿繰返し試験であった.しかし,今回の検討結果では,膨張挙動が浸漬した場合(飽和NaCl溶液50℃)に比べて遅かったため,試験法の方針を変更した.新しく検討した試験では,飽和NaCl溶液に試験体を浸漬し,溶液の温度を40℃,50℃,60℃,70℃と水溶液の温度をパラメータとした膨張性への温度依存性の評価を行った.試験体ケースは,反応性骨材(海砂):非反応性骨材(石灰岩砕砂)=100:0 および 50:50で行った.その結果,60℃と70℃を用いることで,遅延膨張性を示す骨材の危険評価の可能性を見出した.今回の結果を基礎データとし,今後も継続して遅延膨張性に適した新しい試験法の検討を行う.
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