研究課題/領域番号 |
23560560
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研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
一宮 一夫 大分工業高等専門学校, 都市・環境工学科, 教授 (00176306)
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キーワード | コンクリート / 補修・補強 / 高吸水性ポリマー / 吹付けモルタル / 自己収縮 / 初期ひび割れ / コスト / 耐久性 |
研究概要 |
1.フライアッシュを用いた実験をした。 吹付けモルタルには比較的強度の高い配合が望ましいことから,前年度はシリカフュームを混和材に用いた。しかし,同材料は高価であり,吹付けモルタルのコスト上昇につながることから,代替品としてフライアッシュを用いて前年度同様の実験を行った。その結果,フライアッシュI種についてはシリカフュームと同等の性能が期待できることが分かった。 2.気中養生でもひび割れが発生しないことを確認した。 吹付けモルタルは施工直後から乾燥環境に曝されるため,従来は有機質材料を混和することで対応しているが,材料コスト縮減の観点から高吸水性ポリマーによる収縮抑制効果を検討した。同評価には4×4×16cmのモルタル供試体の長手方向の断面中央に鉄筋を配置した内部拘束型の供試体を使用し,市販の吹付け材料(ポリマーセメントモルタル)同様に,乾燥環境でもひび割れが発生しにくいことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試作モルタルの流動性,強度,収縮などの基礎特性を把握した。他方,中性化や凍結融解などの耐久性に関しては評価試験装置が備わっていないため,当初は他機関に試験依頼をする予定であった。その後,別予算にて購入できることとなり,研究計画最終年度の中期までに導入され,確実に各種耐久性に関する基礎データを収集できることから達成度の区分を(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
1.吹付け実験を行い,試作モルタルを吹付け方法に用いる場合の問題点を抽出する。 2.中性化や凍結融解などの各種の耐久性試験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
直接経費500,000円はパリで開催される国際会議での研究発表ならびに高吸水性ポリマーのコンクリート用混和材としての適用性に関する研究パートナーであるドイツのシュツットガルト大学での滞在費に充てる。
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