本研究では,物質移動解析に基づく鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋の腐食発生および腐食速度分布の予測を行った.物質移動解析では,塩化物イオンと二酸化炭素,および水分の移動をモデル化し,コンクリート中では二酸化炭素による炭酸化反応を考慮し,鉄筋位置における塩化物イオン濃度およびPHの経時変化を算出することが可能である.鋼材腐食については,分割鉄筋モデルをベースに,分極曲線を用いたマクロセルおよびミクロセル腐食をモデル化することで,鉄筋の腐食分布の経時変化を算出することが可能である.構築したモデルにより,塩害および炭酸化による鉄筋の腐食発生と腐食発生後の腐食分布を予測可能であることが確認できた.
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