研究課題/領域番号 |
23560579
|
研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
吉川 弘道 東京都市大学, 工学部, 教授 (10220609)
|
研究分担者 |
中村 孝明 東京都市大学, 工学部, 客員教授 (60424777)
丸山 收 東京都市大学, 工学部, 教授 (50209699)
|
キーワード | 地震防災 / システムリスク / GIS / 道路施設 |
研究概要 |
本研究課題は,道路施設/鉄道路線のような線状施設を対象とし,これらを線状システムとして取扱い,地震時のシステムリスクを解析/考察するものである.このような線状システムリスクは,物的損失については総和則にて算定されるが,機能停止期間の場合、直列モデルにはMax演算、並列モデルには Min演算を適用する.後者の機能停止期間については国内外にて先例が少なく,複数施設の相関関係を考慮したことが独自の研究主題である.さらに,地震リスクに関するパノラマ鳥瞰図法を開発し,地震リスクの可視化を試みるものである.初年度は,Step1として,地震時システムリスクの解析理論の構築と解析プログラムの開発を実施した.このため,骨格理論と関連理論/既往理論を整理/定式化し,これに基づき,解析プログラム(プロトタイプ)を作成した. 2年次(平成24年度)は,Step2(事例解析)と Step3(リスク指標のパノラマ表示)を同時並行にて実施した. ・事例解析#1東海道新幹線の地震時システムリスク解析:対象システムである東海道新幹線(東京-新大阪間515.4km)における,路線上の17駅の駅舎,橋梁,トンネルを損傷施設として,フラジリティ特性を定義した.上記解析プログラムを適用し,シナリオ地震(南海トラフ全域地震および1703年/1923年関東地震)による,復旧曲線,地震リスク曲線,ボトルネック指標を出力データとして得た. ・事例解析#2 東京外環自動車道の地震時システムリスク解析:本施設は,都心から15kmの圏域を環状に結ぶ85kmの環状道路であるが,首都圏における主要地震による地震時システムリスク解析を実施した. ・個別のシナリオ地震による最大加速度およびリスク指標(PML(予想最大損失)など)を, GIS地理情報システム上にパノラマ表示した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度にてStep1が終了し,2年度にてStep2とStep3を並行実施した.
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度では,2つの事例(東海道新幹線,東京外環自動車道)について,Step2とStep3の同時並行にて,地震時システムリスク解析を実施した. 平成25年度では,事例解析として2~3程度の土木線状施設を設定し,再度,Step2とStep3の同時並行にて実施するものである.特に,水道処理施設,鉄道路線施設など,より複雑な構造施設の取扱いを予定している. これらにより,地震時システムリスクの解析手法とリスク指標のパノラマ表示について,さらなる高度化を図るものである.
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度予算の執行については,以下のように予定しています. 24年度にて,旅費と謝金の執行が,当初予算より少なく,合計として約29万円繰り越しとなりました.最終年度として,旅費としては予定通りとし,特に謝金(線状施設の調査)とその他(リスクGIS表示)にて使途の予定です.
|