本研究では、減衰力が変位の絶対値に比例して増加する特性を有する、二つの提案振動減衰装置を試作し、それらの変位と減衰力の関係を調和変位制御・載荷試験により調べた。最大減衰力と最大振幅がそれぞれ100kNと40mmである第一の装置は二つの凹凸摺動機構と二つのばね鋼材製リングを備える。往復回数200回・往復周期6sの載荷試験における変位‐減衰力曲線は理論値と良く対応した。最大減衰力と最大振幅がそれぞれ1kNと35mmである第二の装置は、四個の凹凸摺動機構とリングの代替となる超弾性合金フープワイヤーを備える。往復回数150回・往復周期4sの載荷試験における装置の変位‐減衰力曲線は理論値と良く対応した。
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