研究課題/領域番号 |
23560591
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 素之 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00304494)
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研究分担者 |
梅崎 健夫 信州大学, 工学部, 准教授 (50193933)
梅村 順 日本大学, 工学部, 講師 (70256816)
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キーワード | 地すべり / 地震 / リングせん断 / せん断強さ / 不連続面 / 繰返し載荷 / 残留強度 / 層理面 |
研究概要 |
内陸直下型地震では、山間部において地震によって誘発する大規模地すべりの発生が懸念され、その発生箇所の予測や影響範囲の推定が重要な課題になっている。過去の事例では砂岩・泥岩互層や砂岩・シルト岩互層のような層理面においてすべりが初生的に発生していた。しかし、従来の研究では、層理面(以下、強度不連続面とする)の動力学特性はほとんど解明されていない。そこで、本研究では、強度不連続面の繰返しせん断特性を明らかにするため、せん断強度の異なる固結粘土と非固結粘土を貼り合わせた供試体を用いて、圧密・定体積繰返し載荷リングせん断試験を実施した。また、比較として非固結、固結粘土の各単層供試体に対して同繰返しせん断試験を実施した。一方、非固結、固結粘土の単調せん断挙動およびピーク・残留強度特性を明らかにするため、各単層供試体に対して圧密・定圧単調載荷リングせん断試験を実施した。土試料にはカオリンを用い、それにセメント等を添加して固結強度を変化させた。上記の2種類のリングせん断試験結果に基づいて、非固結粘土、固結粘土および貼り合わせ供試体の破壊に至るまでの繰返しせん断挙動、せん断応力比と破壊に至るまでの繰返し回数の関係を考察した。主要な結果は以下のとおりである。(1)いずれの供試体においても、繰返しせん断応力比が高くなるほど、破壊時の繰返し回数は小さくなる。(2)いずれの供試体においても、初期垂直応力が大きいほど、繰返し強度曲線は下位になり、繰返しせん断強度は低くなる。(3)貼り合わせ供試体、非固結供試体、固結供試体の順に繰返し強度曲線は上位になる。(4)同じ初期垂直応力の下では、貼り合わせ供試体すなわち強度不連続面を有す供試体の繰返しせん断強度が最も小さく、破壊に到る繰返し回数は小さい。(5)上記の強度特性に基づいてニューマーク法による不連続面の滑動変位を算出する計算方法を考案した。
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