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2013 年度 実績報告書

著しい非線形領域における土の繰返しせん断特性試験法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560593
研究機関東北学院大学

研究代表者

吉田 望  東北学院大学, 工学部, 教授 (50405891)

研究分担者 規矩 大義  関東学院大学, 理工学部, 教授 (70251759)
キーワード繰り返しせん断特性 / 大ひずみ / K0応力状態 / 等価線形化法 / 非線形解析 / 有効応力解析 / 地震動指標
研究概要

大地震時の地盤の著しい非線形挙動を解析で把握するための研究を行った。まず,従来の地震応答解析の精度評価が曖昧であったことから地震動指標を整理し,レーダーチャートを用いて精度を評価する方法を提案した。そして,過去の研究で用いられた286サイトの地盤に,内陸型,海溝型あわせて11の地震波を作用させ,等価線形解析と非線形解析を行いその結果を比較した。最大値に関しては変位を除き,等価線形解析の方が大きな値となる一方,被害に対応する指標では両者はそれほど多くなく,等価線形解析が設計や被害解析では安全側の評価であるという意味で,適用性があると結論づけられた。一方,同じ地盤で有効応力解析と全応力解析を比較したところ,全応力解析が変位を除くほとんどの指標で非常に大きな値となり,安全側ではあるが過大評価になっている可能性も指摘された。次に,従来の地震応答解析でよく用いられている双曲線モデルとRamberg-Osgoodモデルの適用性を,関東圏95サイトで採取された482の繰返しせん断試験結果を用いて評価したところ,従来,パラメータの数が多く,減衰特性の実験値に近いと考えられてきたRamberg-Osgoodモデルの方が大ひずみ域では適合性が悪いことが分かった。これを踏まえ,基準ひずみとせん断強度のみをパラメータとするシンプルで適用性の広いモデルを提案した。最後に,実地盤の初期応力状態と地震時の応力の載荷状態を再現するための試験方法を考案し,K0応力状態で地震動を受けた際の挙動を調べた。試験法として定体積法,定圧法と名付けた二つの方法を試したところ,挙動にかなりの差が発生した。また,従来の等方応力状態では同じとされていたフレッシュテストとステージテストを比較したところ,両者で差が現れた。この問題がK0の 影響のみに依存するのかについては今後の検討課題となった。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] Comparison of Seismic Ground Response Analyses Under Large Earthquakes2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, N
    • 雑誌名

      Indian Geotechnical Journal

      巻: Vol. 3, No. 2 ページ: 119-131

    • DOI

      10.1007/s40098-014-0104-8

  • [雑誌論文] 地盤の地震応答解析の精度評価ツールとしてのレーダーチャートの提案と各種解析手法の適用限界の検証2014

    • 著者名/発表者名
      大矢陽介,野津厚,吉田望,小濱英司,菅野高広
    • 雑誌名

      日本地震工学会論文集

      巻: 14 ページ: 97-116

    • DOI

      DN/JST.JSTAGE/jaee/14.1_97

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 土の繰返しせん断特性のモデル化と地質年代・堆積環境の影響2013

    • 著者名/発表者名
      吉田望,若松加寿江
    • 雑誌名

      地盤工学ジャーナル

      巻: 8 ページ: 265-284

    • DOI

      DN/JST.JSTAGE/jgs/8.265

    • 査読あり
  • [学会発表] 小ひずみから大ひずみまで適用可能な応力-ひずみ関係モデルの提案2014

    • 著者名/発表者名
      吉田望
    • 学会等名
      第49回地盤工学研究発表会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県北九州市小倉北区)
    • 年月日
      20140715-20140717
  • [学会発表] K0圧密地盤の繰返しせん断特性に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      三上武子,吉田望,大塚浩二
    • 学会等名
      第49回地盤工学研究発表会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県北九州市小倉北区)
    • 年月日
      20140715-20140717
  • [学会発表] 大地震における地震応答解析手法の精度評価のための地震動指標2014

    • 著者名/発表者名
      市川康宏,矢吹匠,吉田望
    • 学会等名
      土木学会東北支部技術研究発表会
    • 発表場所
      八戸工業大学(青森県八戸市)
    • 年月日
      20140308-20140308
  • [学会発表] Applicability of total stress seismic ground response analysis under large earthquakes2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, N.
    • 学会等名
      10th International Conference on Urban Earthquake Engineering
    • 発表場所
      東京工業大学(神奈川県横浜市緑区)
    • 年月日
      20130612-20130614
  • [学会発表] 既往の応力-ひずみ関係モデルの大ひずみ域での適用性2013

    • 著者名/発表者名
      吉田望,若松加寿江
    • 学会等名
      第48回地盤工学研究発表会
    • 発表場所
      富山国際会議場(富山県富山市)
    • 年月日
      20130612-20130612
  • [学会発表] 既往の応力-ひずみ関係モデルの大ひずみ域での適用性2013

    • 著者名/発表者名
      吉田望
    • 学会等名
      大ひずみを考慮した土の繰返しせん断特性に関するシンポジウム
    • 発表場所
      地盤工学会館(東京都文京区)
    • 年月日
      20130517-20130517
  • [学会発表] 応力-ひずみ関係モデルに要求される機能2013

    • 著者名/発表者名
      吉田望
    • 学会等名
      大ひずみを考慮した土の繰返しせん断特性に関するシンポジウム
    • 発表場所
      地盤工学会館(東京都文京区)
    • 年月日
      20130517-20130517
  • [学会発表] 全応力地震応答解析の適用性に関するケーススタディ2013

    • 著者名/発表者名
      吉田望
    • 学会等名
      大ひずみを考慮した土の繰返しせん断特性に関するシンポジウム
    • 発表場所
      地盤工学会館(東京都文京区)
    • 年月日
      20130517-20130517
  • [学会発表] 地震応答解析の精度評価の方法2013

    • 著者名/発表者名
      吉田望
    • 学会等名
      大ひずみを考慮した土の繰返しせん断特性に関するシンポジウム
    • 発表場所
      地盤工学会館(東京都文京区)
    • 年月日
      20130517-20130517
  • [学会発表] 大ひずみを考慮した試験法2013

    • 著者名/発表者名
      吉田望,三上武子
    • 学会等名
      大ひずみを考慮した土の繰返しせん断特性に関するシンポジウム
    • 発表場所
      地盤工学会館(東京都文京区)
    • 年月日
      20130517-20130517

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公開日: 2015-05-28  

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