研究課題/領域番号 |
23560597
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
龍岡 文夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70111565)
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研究分担者 |
塚本 良道 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (50253505)
川邉 翔平 東京理科大学, 理工学部, 助教 (30609384)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 締固め度 / 盛土施工管理 / 三軸圧縮試験 / セメント改良土 |
研究概要 |
道路盛土・河川堤防・宅地盛土等の建設における現状の設計と盛土締固め管理の体系を見直して、より良い締固めを奨励しその結果を設計に反映できる体系にするために貢献するために、多様な砂・礫質土を対象として、盛土材の強度・剛性(クリープ変形性も含む)と締固め度の関係(特に高い締固め度での)とその関係に対する締固め時とせん断時の飽和度の影響を明かにし、特に以下の結論を得た。1)締固め管理には、相対密度は不適であり、締固め度Dcが適切である。2)均等係数、粒径等により異なるせん断強度~Dc関係が存在する。3) Dcが90%程度を超えて増加すると、強度は著しく増加する。4)標準Proctor(1Ec)でのDc=85 % は、締固まっておらず、許容下限値(管理値)として低すぎる。せめて、90 %程度にすべきである。5)原位置盛土施工管理では、Dcの平均値が「全測定値に対する許容下限値」よりも 5 %程度以上高いことも確認する必要がある。6)良く締固めれば、やや乾燥側で締固めても飽和時沈下も殆どなく、高いせん断強度と剛性が実現できる。7) 締固め度の上昇の効果として、細粒分含有率Fcが低い粗粒質や砂質土Iではせん断強度が増加し、Fcが高い砂質土IIや粘性土では水密性が向上する。また、セメント混合盛土の設計・施工管理では、従来はセメント量の配合は重視するが、良く締固めると飛躍的に強度・剛性が向上しクリープひずみが激減する事実を示した。また、持続載荷と繰返し載荷で生じる残留ひずみは、いずれも粘性によるものであり繰返し載荷効果は殆ど無いことから、良く締固めて十分に持続載荷を継続して降伏曲線が拡大した状態では、交通荷重の様な多数回の繰返し載荷に対しても殆ど残留ひずみが生じないようになることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
盛土の良い締固めとその設計への反映の重要性を、非常に多くの盛土材料とそのセメント改良土の系統的な三軸圧縮試験を実施しその結果を整理・分析することによって示すことできた。またそれに基づいて、原位置盛土施工管理と設計せん断強度の決定法において必要で有効な改良方策を具体的に示すことができた。しかし、全国には極めた多様な盛土材料が存在し、特殊土と呼ばれていて締固め特性と変形・強度特性が特異な土も多数存在する。この状況から見ると、より一般的で普遍的な結論を得るためには、更に多様な盛土材で系統的な三軸圧縮試験を実施する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
23年度に引き続き、各峻盛土材料の排水三軸圧縮試験を継続して、データの整理・分析して、これまで得られた結論の一般性を拡大する。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、各種盛土材料の排水三軸圧縮試験とそのデータ整理に使用する。
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