研究課題
道路・鉄道・宅地の盛土、河川堤防、ため池堤体等の設計・締固め管理体系を見直し、その結果を設計に反映できる体系を確立するため、多様な砂・礫質土・セメント改良土の締固め特性と強度・変形特性を実験的に明らかにし、以下の結論を得た。1)従来、締固めた土の変形・強度特性と透水係数を乾燥密度と締固め時含水比の関数として表現してきた。しかし、締固めエネルギーレベル(CEL)の増加と共に最大乾燥密度は増加し最適含水比は減少する一方、個々の箇所でのCELは一定でなく予測できないため、ある固定されたCELで得られた最大乾燥密度と最適含水比に基づく従来の現場締固め管理法には本質的な問題がある。2) 所定の土質に対し、締固め時不飽和状態と飽和化後の変形・強度特性は、乾燥密度と締固め時の飽和度の関数であり、それはCELを変数として含まない。従って、個々の場所のCELが不明でも乾燥密度と飽和度から変形・強度特性を推定できる。3)一定のCELでの乾燥密度~飽和度関係と最大乾燥密度が得られる最適飽和度はCELに独立である。4)盛土の地震時・豪雨時安定性と長期残留変形特性に関する要求性能の実現に必要な乾燥密度および最適飽和度の実現を締固め管理目標とする必要がある。5)飽和化した土の透水係数は、乾燥密度の増加に対し単調に減少する関数と、締固め時飽和度の増加に対し単調に減少する関数の積であり、CELを変数として含まない。また、一定のCELでは最適締固め度よりもやや高い飽和度で透水係数は最小値を示すが、より良く締固めれば最適飽和度を目標として十分に低い透水係数が得られる。6)セメントを混合し改良した砂礫の圧縮強度と剛性も、乾燥密度と締固め時飽和度の関数であり、一定のCELで最大強度が得られる強度に関する最適飽和度はCELに独立である。従って、乾燥密度と強度に関する最適飽和度を施工管理の目標状態にすべきである。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件)
Transportation Geotechnics
巻: 1 ページ: 3-20
Geotechnical Engineering Journal of the SEAGS & AGSSEA
巻: 45 ページ: 1-15
Soils and Foundations
巻: 53 ページ: 835-852
sabdf.53.835